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2020 Fiscal Year Research-status Report

発達脳における新規構造物BUDOの存在意義の解明

Research Project

Project/Area Number 20K21457
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

小山 隆太  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90431890)

Project Period (FY) 2020-07-30 – 2023-03-31
Keywordsマイクログリア / 貪食 / 血管 / マクロファージ
Outline of Annual Research Achievements

極めて最近、我々は、生後マウス脳において新規構造物の存在を発見し、葡萄のような形状のこの構造物をBUbbly Dense Organization (BUDO)と名付けた。本研究ではBUDOの細胞種を詳細に同定し、その機能や存在意義を探索することを目的とした研究を行う。本研究は、現在までその存在が報告されてこなかった構造物の種類や性質を同定しようとする探索的性質の強い挑戦的な研究である。また、BUDOの細胞種と機能、そして機能制御の方法の確立に成功すれば、脳発達や脳内免疫研究の学術的な方向性を転換させる潜在性を有する。
これまでにC57BL/6J系統もしくはICR系統のマウスを生後0日齢において無菌下で灌流固定し、その脳切片を観察したところ、局所的に赤色自家蛍光が散見された。自家蛍光の正体はおそらく細胞死に関連する死細胞片などであると考えられた。また、自家蛍光周囲には、リソソームのマーカーCD68陽性の球が複数集まった葡萄のような構造を発見したため、これをBUDOと命名した。現在のところ、各種マーカーの発現様式やタイムラプスイメージングから、BUDOはマイクログリアが構造を変化させたものであると考察している。今年度は、BUDO構造が生じる時期や局在部位に関して、免疫組織化学的手法によって、詳細に検証した。また、マウス脳切片内のBUDOを微小電極内に吸引し、れたBUDOのRNAシーケンス(RNA-Seq)をおこなった。そして、正常なマイクログリアとの遺伝子発現量を比較し、マイクログリアがBUDOに変化するために必要な遺伝子の同定を試みた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

免疫染色法により、BUDOのプロパティを同定することに成功した。具体的には、BUDOは活性化したマイクログリアに特徴的な遺伝子を発現していることを明らかにした。この点は、計画書に申請した通りに研究が進んだ。また、遺伝子発現解析にも成功し、BUDOでは、ある特定の遺伝子の発現が上昇していることが明らかになった。この点は、研究計画時点では予測できなかった遺伝子の発現変化の発見に至っており、今後の研究を進めるうえで非常に重要な結果となる。さらに、この遺伝子をマイクログリア特異的に欠失させるマウスの作成に成功した。これは、今後の本研究を進展させる上で、意義が大きく、当初の計画以上に研究が進んだと判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、研究計画にも記した、脳発達におけるBUDOの存在意義の解明にいどむ。BUDOにおいて発現が上昇した遺伝子が明らかになったため、マイクログリア特異的にこの遺伝子を欠損させるマウスを用いる。特に、脳血管障害と小児期の行動異常に着目しながら研究を進める。

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Published: 2021-12-27  

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