2021 Fiscal Year Annual Research Report
脳ゲノム編集および幹細胞由来オルガノイド融合による霊長類精神疾患モデルの創出
Project/Area Number |
20K21476
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小坂田 文隆 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (60455334)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | マーモセット / 胚性幹細胞 / オルガノイド / アッセンブロイド / 精神疾患 / 発達障害 / ゲノム編集 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症を初めとする神経発達障害の発症において、遺伝的要因が強く影響することが疫学的に示されてきた。近年のゲノム解析技術により、精神障害の発症に関連する遺伝子変異や染色体異常が同定された。しかし、見出されたゲノム変異により生じる病態の解明には至っていない。今後、精神障害に対する治療法・診断法開発や創薬へと繋げるためには、分子病態および神経回路異常の解明が喫緊の課題である。そこで本研究課題では、神経発達障害の病態発症機序となる分子・神経回路異常を明らかにする目的で、霊長類のマーモセットを用いてin vitroの病態モデルの作製を目指す。具体的には、マーモセット胚性幹細胞(ES細胞)由来複合オルガノイドによる領野間神経回路再構成法の開発と病態解析を目指す。マーモセットES細胞から興奮性ニューロンを産生する大脳皮質オルガノイド、抑制性ニューロンを産生するmedial ganglionic eminence (MGE)領域のオルガノイドを誘導した。大脳皮質オルガノイドおよびMGEオルガノイドの特性を有するかを遺伝子発現および免疫染色により評価した。興奮性ニューロンおよび抑制性ニューロンの分化およびオルガノイド中の層構造などの極性構造を明らかにした。誘導された神経細胞の機能を明らかにするために、オルガノイドから分散培養したニューロンから、さらにはオルガノイドから2光子顕微鏡でカルシウムイメージングを行い、神経活動を観察した。病態モデルとしてCRISPR-Cas9を用いたゲノム編集技術により変異マーモセットES細胞株を作製し、評価を行った。
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Research Products
(23 results)