2021 Fiscal Year Research-status Report
多階層オミックス解析による発達障害の発症機序の解明
Project/Area Number |
20K21479
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠井 淳司 大阪大学, 薬学研究科, 准教授 (40454649)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 発達障害 / 脳 / 発生 / 細胞移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、発達障害発症のメカニズムを明らかにし先制医療・新規治療法の確立に貢献する画期的シーズを創出するため、胎生期の神経細胞の全脳レベルの移動・空間配置の定量的な評価法を確立し、発達障害モデル動物の細胞の分化・分布の脳内変化を明らかにする。さらに、最も影響される細胞群から遺伝子発現解析を実施し、脳内変化の新たなメカニズムを提唱する。そのメカニズムに基づいて薬理学的に介入し、因果関係を明らかにすることを目指している。本年度は、胎生期の興奮性神経細胞および抑制性神経細胞をそれぞれ誕生日によって遺伝学的に標識する方法を導入した。今後は、特定の時期の環境要因によるエピジェネティックスの変化が胎生期の神経細胞の移動等に与える影響を評価し、脳内の構造・機能変化の重要な部位を特定し、その特性評価等を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞種ごとに蛍光標識する方法を導入し、マウス脳発生の細胞系譜を網羅的に解析できるようにしたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ASDモデルを用いて、発達障害の発症に関わる胎生期の神経細胞の構造・機能変化を特定するとともに、シングル細胞遺伝子発現解析を実施し、細胞移動・構造変化の分子基盤に迫る。
|
Causes of Carryover |
当初計画に加え、興奮性・抑制性神経細胞の誕生日マッピングを行う必要性が生じ、シングル細胞RNA発現解析法の実施を遅らせたため。
|
Research Products
(6 results)