2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of fundamental technology for electron microscopic imaging of short-lived chemical species
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20K21486
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
平山 祐 岐阜薬科大学, 薬学部, 准教授 (10600207)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | イメージング / 活性酸素種 / ナノイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、原理的に不可能とされていた電子顕微鏡での細胞内短寿命活性種のナのイメージングを達成する。申請者がすでに達成している細胞膜として存在する物質を足場として利用し、プローブを固定する技術、および光増感剤の標的選択的スイッチ技術を融合し、新たな生体内短寿命活性種の電子顕微鏡プローブを創出する。また、得られたプローブ分子を利用したナノイメージング研究を実施し、標的化学種の局在、動態をナノレベルで明らかにすることを目的とする。 まず、当該年度においては、プローブとなる分子を細胞内で固定するための細胞内足場分子の導入方法の検討と、電子顕微鏡観察へとつなげるための予備検討として、超解像蛍光顕微鏡と固定化型スーパーオキシド検出蛍光プローブを使ったスーパーオキシドの観察実験を実施した。 細胞内の足場分子として、既報に従って細胞中の脂質膜へとアジド基を導入した。そこへスーパーオキシド検出蛍光プローブを導入し、各種スーパーオキシドを誘導する刺激物質を投与し、一定時間後に細胞固定、超解像蛍光顕微鏡観察を実施した。刺激物質にてスーパーオキシドを誘導した細胞で有意な蛍光上昇が見られ、その蛍光がミトコンドリアおよび小胞体膜上に局在している様子が見られた。また、いくつかのアジド基への選択的反応基について、修飾効率、局在、細胞内でのスーパーオキシド反応性を検討したが、大きな差はなく、全て適度に応答することがわかった。以上のことから、本アプローチが超解像観察において有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19の影響により一時は大幅に遅れていたものの、当該年度内の到達目標であった、超解像蛍光顕微鏡を使ったコンセプト実証実験までを達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、超解像蛍光顕微鏡観察にて得られた結果をもとに、電子顕微鏡観察へと応用するべく、光増感剤および電子顕微鏡用マーカー化合物の導入と活性酸素種刺激による応答について検討し、各種活性酸素種のナノレベルでの分布や発生過程を明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により予定していた学会発表・研究打ち合わせ等の旅費の支出がなくなったこと、特に上半期においては大学への登校制限により研究の進度が大きく遅れたため、次年度使用額が生じることとなった。 翌年度分については今年度実施できなかった分も含め、積極的に計画を遂行していく予定である。
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