2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of analytical methods of cfDNA in body fluid for early cancer diagnosis
Project/Area Number |
20K21491
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加藤 大 昭和大学, 薬学部, 教授 (30332943)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
Keywords | cfDNA / バイオマーカー / 尿 / 体液 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な疾患に関連する多数のバイオマーカーが既に発見され、がん、呼吸器や神経系などの疾患に精密医療を提供するために、バイオマーカーの測定が医療現場で行われている。 バイオマーカーの中でもcell free DNA(cfDNA)は、リアルタイム(RT-PCR)や次世代シークエンサー(NGS)の利用により、今では、検体中に数コピー程度のcfDNAが存在すれば、標的cfDNAの検出や配列解析が可能になっている。本研究では、生体内に存在する微量なcfDNAの検出を目指し、体液中cfDNAの簡易精製法の開発を試みた。まず、カチオン粒子を利用したcfDNAの精製法について検討した結果、粒子は鎖長が数100bpのDNAを効率的に捕捉することが分かった。つまり、鎖長の異なったDNAが混在するような生体液からカチオン粒子はcfDNAを効率的に精製した。粒子を用いることで、多量な体液中に存在するDNAを効率的に捕捉することができる。次に、粒子によって捕捉したDNAの脱離液中に存在する塩がPCR反応を妨害することから、脱塩法を検討した。その結果、市販のDNA抽出精製キットで脱塩をすることで、PCRによるDNAの増幅が可能になった。最後にDNAを添加した1 mLの尿から、開発した手法を用いて標的DNAの検出を試みたところ、600コピーのDNAが存在すれば検出できることが分かった。今後は、実際に患者検体に含まれる微量cfDNAの検出を行い治療効果の評価や健常人の体液からの疾患の早期発見に有効なバイオマーカーの検出に本手法を応用する予定である。
|