2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel lymphoma PDX model using humanized mice
Project/Area Number |
20K21547
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齊藤 泰之 神戸大学, 医学研究科, 講師 (40508842)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
Keywords | PDXモデル / ヒト化マウス / がん微小環境 / マクロファージ / CD47 / SIRPα |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)次世代免疫不全ヒト化マウスを用いたがん微小環境の再構築の解析:免疫細胞ヒト化マウス(免疫不全マウスにヒト臍帯血由来CD34陽性造血幹前駆細胞を移植することで樹立)を用いたヒト腫瘍モデルにおいて、腫瘍内へ浸潤した免疫細胞のプロファイルは十分に明らかとなっていない。そこで、免疫細胞をヒト化した次世代免疫不全マウスにヒトB細胞リンパ腫細胞株(Raji)を移植した腫瘍モデルを作製し、腫瘍内へ浸潤した免疫細胞(特にT細胞やマクロファージ、樹状細胞)の解析をフローサイトメトリー法ならびに病理組織学的な解析を行い、マクロファージを中心とした免疫細胞の腫瘍内への浸潤を確認した。 (2)PDXモデルの作製とがん微小環境の評価:神戸大学医学研究科腫瘍血液内科の研究協力のもと、複数のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者より採取した腫瘍組織より腫瘍細胞を単離、保存を行った。さらに患者検体をを免疫細胞ヒト化マウスに投与したPDXモデルの作製を行い、患者由来腫瘍細胞の免疫細胞ヒト化マウスへの生着を確認できた。 (3)抗SIRPα抗体によるリンパ腫PDXモデルを用いた抗腫瘍効果の検討:(1)の腫瘍モデルに対し、CD47とSIRPαとの結合を阻害する抗SIRPα抗体がRituximab(抗CD20抗体)による抗腫瘍効果を増強させることを見出した。この抗腫瘍効果の増強は薬剤によるマクロファージ除去により抑えられたことから、腫瘍内のマクロファージ依存性に抗腫瘍効果を得られた可能性が考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したように、神戸大学医学研究科腫瘍血液内科の研究協力体制のもと、本課題の推進に必要十分量の患者検体を入手することができたこと、文献的に樹立が困難であったリンパ腫PDXの樹立に成功したことから、概ね順調に推進していると評価するに至った。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)次世代免疫不全ヒト化マウスを用いたがん微小環境の再構築の解析:腫瘍内に浸潤したヒトマクロファージの詳細な解析を行うことを目的に、腫瘍組織よりヒトマクロファージを単離し、RNA-seqによる遺伝子解析を行う予定である。さらに、ヒトサイトカインの発現についてもマルチプレックス法により解析を行う予定である。 (2)PDXモデルの作製とがん微小環境の評価:樹立したリンパ腫PDXモデルの組織の解析ならびに腫瘍内細胞のプロファイルや遺伝子発現解析を行う。 (3)抗SIRPα抗体によるリンパ腫PDXモデルを用いた抗腫瘍効果の検討:(2)のPDXモデルに対し、抗SIRPα抗体がRituximab(抗CD20抗体)による抗腫瘍効果を増強させる可能性について検討を行う。
|
Research Products
(10 results)