2021 Fiscal Year Research-status Report
A novel immuno-radiotherapy using autologus T cell and pH-responsive capsule for delivery of inorganic nanoparticles
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20K21576
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 千秋 神戸大学, 工学研究科, 教授 (00313693)
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学研究科, 非常勤講師 (20707161)
窪田 光 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (60824208)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 放射線増感 / 放射線応答 / 免疫放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞傷害性T(CD8陽性)細胞由来のエクソソームを単離し、優れた放射線増感作用を有する過酸化チタンナノ粒子の運搬役として利用し、治療抵抗性固形悪性腫瘍に対する新たな免疫放射線療法を提案することである。今回の提案は異なる機能のT細胞同士の情報伝達が、IL-2等のサイトカインによる液性免疫だけでなく、それぞれが放出するエクソソームによる細胞間情報伝達でも制御されている事を見いだした事に端を発する。CD8細胞はその増幅が困難であり、その理由に制御性T細胞(Treg)の強力な抑制機構があると考えられる。今回の申請では、ナノ粒子と放射線照射による抗原刺激を介して、CD8細胞を著明に増加させる方法を立案した。 放射線治療は、その治療経過に伴い腫瘍細胞がPD-L1等の腫瘍抗原を発現が増強し、CD8細胞の膜表面上のPD-1と腫瘍細胞のPD-L1が免疫チェックポイントを形成し治療抵抗性の原因となる。大きな治療効果のためには、放射線増感剤を特異的に取り込ませ、治療効果比の高い免疫放射線療法を構築する事が有効である。腫瘍細胞の標的化に腫瘍細胞からの抗原提示を受けたCD8細胞由来のエクソソームを用い、放射線増感剤には独自開発した過酸化チタンナノ粒子を用いてそれらをEx vivoで融合させ、再投与後に放射線療法を実施し高い治療効果を得ることを検討している。 本年度の研究成果は、過酸化チタンナノ粒子が免疫放射線療法を著明に増感させ、これまでにない治療効果を得た。その分子機序は過酸化チタンナノ粒子がの活性酸素増幅効果に起因し、抗原提示を受けた樹状細胞によるCD8細胞の増幅など、二次リンパ組織における免疫系細胞の関与を明らかにしてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的を達成するための研究方法として以下の3項目を提案したが、① 放射線増感剤としての過酸化チタンナノ粒子の最適化:過酸化チタンナノ粒子の最適の粒径を確定する。安定した100nmの過酸化チタンナノ粒子を用いて検討し、MPN法を用いた細胞内への取り込みは確認できているが、エクソソームと結合させる為の最適化に関しては実施できていない。② 自己血T細胞分離によるCD8の増幅エクソソーム回収法を確立、に関しては現時点では検討を開始できていない。③ エクソソーム・ナノ粒子結合体(Exo-Nano)の効率的生成方法の検討:過酸化チタンナノ粒子はPEG等の表面修飾に依って電荷を中性に維持し、pH反応性カプセルに包含させて、その後にタンニン酸を用いたMetal-Phenol Network(MPN法)で生体親和性を持たせることによってエクソソームへの取り込みを可能にする。pH反応性カプセルやMPN法はメルボルン大学のF. Caruso教授との共同研究内容として実施している。今年度はエクソソームを用いる代わり、がん細胞の表面抗原を標的化した抗体を用いて本システムの検討を実施した。がん細胞の表面抗原がリガンドとなり、MPN法を用いることにより、より効率的に過酸化チタンナノ粒子をがん細胞内に取り込ませることに成功している。現時点では、過酸化チタンナノ粒子の効率的な取り込みを確認できているが、今後はエクソソームを用いたMPN法の条件設定を検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討では、乳がん由来のヒト培養細胞と、がん細胞の表面抗原を標的化した抗体を用いてMPN法を用いた過酸化チタンナノ粒子のがん細胞内への効率的な取り込みを確認してきた。さらにヒト膵臓がん細胞を用いた検討でも同様の結果を得ている。つまり、MPN法を用いた無機ナノ粒子と有機分子の結合によって、無機ナノ粒子の選択的取り込みを確認してきた。本研究計画の成功には、無機ナノ粒子の大きさや正常、有機分子の大きさや特異性などによって大きく異なることが予想される。特にエクソソームは、脂質2重膜構造であり、これまで成功してきた抗体(蛋白)と同様の結果が得られるかどうかは慎重に検討を進める必要がある。CD8陽性細胞や制御性のTreg細胞の分離や無菌化の増幅 方法を確立してきたが、そこから得られるエクソソームの量はまだ少量と言わざる得ない。しかしながら抗原提示を受けた免疫システムの中で増幅した免疫細胞は、腫瘍へのターゲット化に関しては大きな魅力があり、そのエクソソームの役割を見極めつつ、本研究申請の展開をより強力に実施していく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の流行の影響もあり、国際学会での発表ができず、旅費などが不使用であった。また、研究面においても、国際事情のためか、輸入が困難なプラスチック資材や抗体が多くあり、研究の進捗に大きく影響した。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article] Surgical outcomes of metastatic bone tumors in the extremities (Surgical outcomes of bone metastases)2021
Author(s)
Hara H, Sakai Y, Kawamoto T, Fukase N, Kawakami Y, Takemori T, Fujiwara S, Kitayama K, Yahiro S, Miyamoto T, Kakutani K, Niikura T, Miyawaki D, Okada T, Sakashita A, Imamura Y, Sasaki R, Kizawa Y, Minami H, Matsumoto T, Matsushita T, Kuroda R, Akisue T
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Journal Title
Journal of Bone Oncology
Volume: 27
Pages: 100352~100352
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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