2022 Fiscal Year Research-status Report
Does GPI-anchored modification promote the pathogenicity and transmissibility of alpha-synucleinopathies?
Project/Area Number |
20K21579
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
新 竜一郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (90452846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 守一 宮崎大学, 医学部, 准教授 (10391442)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | アルファシヌクレイン / GPIアンカー / レビー小体病 / 多系統萎縮症 |
Outline of Annual Research Achievements |
プリオン病以外のタンパク質異常凝集性神経変性疾患(アルツハイマー病、レビー小体病、タウオパチー等)の伝達性や病原性はプリオン病と比較すると相対的に低く、そのメカニズムに質的な違いがあることが想定される。その要因としてプリオンタンパク質(PrP)のC末端に翻訳後修飾として付加されるGPIアンカーの存在が考えられる。本研究ではレビー小体病の病原タンパク質アルファシヌクレイン(Asyn)にGPIアンカーを付加して発現するように 遺伝子操作し、その凝集様式・疾患伝達性と神経変性のメカニズムを解明することを目的としている。まず、GPIアンカー付加シグナルペプチドをAsynのN末とC末に導入し、それぞれのタンパク質へのGPIアンカー修飾型を構築した。GPIアンカー付加シグナルペプチドとしてはPrPのものを使用した。構築した発現ベクターを培養細胞(N2a)に一過性に導入し、Asynの発現をウェスタンブロットにより確認したところ、GPIアンカーが導入されたことを反映し、GPIアンカーのない通常のAsynより分子量は上昇していた。次に、恒常的発現細胞を得るため、トランスポゾンのPiggyBac systemを用いて薬剤セレクションを行ったが、高発現細胞を得ることはできなかった。しかし、遺伝子レベルの導入はPCRで確認していたため、プロテアソーム抑制剤を投与したところ、発現の上昇を認めたことから、GPI(+)Asynがプロテアソームでの分解が上昇している可能性が示された。 一方、N2a細胞にAsynを恒常的に発現する細胞を得ることができたため、それらにレビー小体病や多系統萎縮症の脳ホモジネートを添加してプリオンのようなAsyn凝集体の”感染“細胞が得られるかどうか現在検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
GPIアンカー修飾型アルファシヌクレイン(Asyn)発現ベクターを構築し、一過性の発現は確認することができたが、恒常的発現細胞の構築では、ほとんどがプロテアソーム系で分解されてしまうことが判明した。そこで、GPIアンカー修飾型Asynが異常凝集を起こすかどうかについて、Asyn凝集体“感染”細胞を樹立して、検証することを試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
N2a細胞にAsynを恒常的に発現するN2a細胞を獲得できたため、今後、レビー小体病や多系統萎縮症の脳ホモジネートを添加してプリオンのようなAsyn凝集体の”感染“細胞を樹立する予定である。また、Asyn凝集体持続感染細胞ができたかどうかを確認するために、Asyn凝集体を高感度に検出できる系:Asyn-RT-QuIC法を開発・発展させる。
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Causes of Carryover |
当初想定していたGPIアンカー修飾型Asynの恒常発現細胞を用いた実験系が困難であることが判明したため、実験系を新たに見直し、Asyn凝集体持続感染細胞を用いた実験系を新たに開始したことによる。
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