2020 Fiscal Year Research-status Report
単一細胞標的照射で誘発される細胞内酸素動態観察のための蛍光寿命顕微システムの構築
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20K21588
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
大澤 大輔 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 主任研究員(任常) (90324681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 亜利紗 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, 研究員(任常) (30773931)
小西 輝昭 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学領域, グループリーダー(定常) (70443067)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロビーム / 蛍光寿命イメージング / 低酸素放射線抵抗性 / イオントラック構造 / ライブセルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
粒子線がん治療はブラッグピークの線量集中性を活かし、有効ながん治療法としての地位を確立している。しかしながら、低酸素下にある腫瘍組織の放射線抵抗性を考慮した治療効果は未だ予測ができていない。酸素効果の本質は、放射線間接作用によるラジカルと細胞内酸素とが産生する有機過酸化物により惹起される難修復性損傷であり、その解明には、極微の時空間スケールで、放射線による物理化学反応と細胞内生物応答とを同時に観測することが必要になる。 本研究では、陽子線マイクロビーム細胞照射装置 SPICE に蛍光寿命イメージングシステムと低酸素照射チャンバを導入することで、腫瘍組織環境を模擬し、ビーム照射を起点とするオーダーの細胞内酸素動態の可視化・定量を目的とする。続いて、損傷・修復過程との相関解析により、低酸素による放射線抵抗性のメカニズムを解明し、ひいては、治療効果の予測へと展開するための研究基盤の確立を目指す。 初年度は、SPICEと同等仕様のオフライン顕微鏡への蛍光寿命イメージングシステムの組み込み、最適化と性能評価を行った。具体的には、顕微鏡に高速ゲートイメージインテンシファイア、高感度CMOSカメラを設置した。続いて、細胞蛍光の模擬として、顕微鏡ステージ上で、標準線源 Am241 からのアルファ線を銀活性硫化亜鉛の粉末に照射し、放射されるシンチレータ光を10倍の対物レンズで集光した後、顕微鏡鏡筒内に設置した光電子増倍管で増幅させ、高速プリアンプで波形処理し、オシロスコープで波形計測したところ、低S/N比ながら、シンチレータ光の時定数にほぼ一致するパルスを取得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、資材の納品が遅れ、装置開発に遅延が生じたため、予定通りとは言えない。一方で、微弱ながら蛍光信号を確認できたことで、初年度に予定していた主目的は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、SPICEを模擬したオフライン顕微鏡への蛍光寿命イメージングシステムの組み込み、最適化と性能評価を行う。具体的には、短パルスレーザー光源の設置と調整、続いて、蛍光酸素プローブ分子の選定、さらに、蛍光酸素プローブ分子を溶存させた培養液からの蛍光パルスの時定数計測を目指す。
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