2020 Fiscal Year Research-status Report
ハイブリッドPETプローブによる膵癌早期診断法の開発
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20K21593
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正宗 淳 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90312579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古本 祥三 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00375198)
濱田 晋 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20451560)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は前癌病変特有の細胞老化と代謝リプログラミングを体外検出するためのハイブリッドPETプローブ開発により、革新的な膵癌早期診断法への道を拓くことである。膵癌の形成過程では癌遺伝子の変異や微小環境の変化によるストレスが細胞老化を引き起こす。老化細胞のマーカーであるβガラクトシダーゼ活性は種々の基質を用いた発色反応により定量可能であり、その活性が亢進した細胞において滞留する分子を見出すことはPETプローブ開発の端緒となる。 本年度はこの目標に向けて、ヒトβガラクトシダーゼ活性の測定系を用いたスクリーニング基盤の開発を開始した。購入可能なリコンビナントヒトβガラクトシダーゼについて、マイクロプレートリーダーにより測定が可能なONPG分解による呈色反応で活性を測定したが、測定条件に従っても高い活性が得られなかった。より生理的な細胞内での翻訳後修飾が酵素活性に影響する可能性を考え、HEK293細胞にヒトβガラクトシダーゼ発現ベクターをトランスフェクションし、G418による選択によりβガラクトシダーゼ強制発現細胞株を樹立した。コントロール細胞株に比べ強制発現細胞株ではX-gal染色による青変を示すことを確認している。次年度以降は樹立細胞からのcell lysateを用いて呈色反応による酵素活性の定量を行うこと、生細胞を用いて細胞内への移行性・滞留性を加味した薬剤スクリーニングに着手する予定である。候補薬剤の細胞傷害性についても評価し、プローブに適した化合物候補を選択する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤スクリーニングの基盤となる細胞株の樹立に成功しており、進捗はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立済み細胞株を用いて、酵素活性を指標とした薬剤スクリーニングおよび細胞内への移行性・滞留性や細胞傷害性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
本年度はリコンビナント蛋白の活性評価と細胞株樹立のみ行ったため未使用額が生じた。次年度以降薬剤スクリーニング費用の発生が見込まれるため、未使用額と合わせて使用予定である。
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