2020 Fiscal Year Research-status Report
薬剤耐性HBV変異株に強力で長時間作用型のハロゲン化HBVキャプシド阻害剤開発
Project/Area Number |
20K21609
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
満屋 裕明 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究所長 (20136724)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | HBV / 慢性B型肝炎 / 薬剤耐性HBV変異株 / HBVキャプシド阻害剤 / 新規抗HBV剤の開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度(2020年度)は新規HBVキャプシド構成阻害化合物のデザイン・合成・活性評価を開始した。具体的な成果として、新規化合物20種類の合成とCC50値(50%の細胞に傷害を呈する濃度)及びIC50値(ウイルス複製を50%阻害する濃度)を決定した。結果を以下に示す。 GRL-01-19(CC50=31μM,IC50>1μM);GRL-02-19(CC50=27μM,IC50=0.018μM);GRL-03-19(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-04-19(CC50=47μM,IC50>1μM);GRL-05-19(CC50=41μM,IC50>1μM);GRL-06-19(CC50=29μM,IC50>1μM);GRL-07-19(CC50=27μM,IC50=0.007μM);GRL-08-19(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-09-19(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-11-19(CC50=56μM,IC50=0.1μM);GRL-12-19(CC50>100μM,IC50=0.004μM);GRL-13-19(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-14-19(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-15-19(CC50 =58μM,IC50>1μM);GRL-16-19(CC50=57μM,IC50>1μM);01-20(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-02-20(CC50=65μM,IC50>1μM);GRL-03-20(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-06-20(CC50>100μM,IC50>1μM);GRL-07-20(CC50 >100μM,IC50>1μM). これらの結果から更に再デザイン・合成を継続して有望化合物の同定を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では令和2年度(2020年度)に 1)既存のCAIsより強力な活性を発揮し、長時間作用型の新規化合物のデザイン・合成を協力者(Arun Ghosh) と連携して進め、新規化合物のCC50 値およびIC50を決定しつつ再デザイン・合成を継続して有望化合物を同定 2)有望化合物を同定した場合は、ヒト肝キメラマウス(PXBマウス) 由来の新鮮ヒト肝細胞(PXB細胞) を用いたHBV感染実験による活性評価、加えて一過性に感染性HBVを遺伝子導入した細胞株等を用いてウェスタン・サザンブロッティングなどによる作用機序解析を実施、3)さらにコンピュータモデリングなどによる構造解析を協力者(Debananda Das) と連携して進める。4)得られた情報を元に、より強力な新規化合物のデザイン・合成・活性評価・最適化や構造解析を各協力者らと連携して強力に推進する。以上の4ステップの予定であった。 令和2年度は新規HBV キャプシド構成阻害化合物のデザイン・合成・活性評価を開始し、新規化合物20種類の合成とCC50 値(50%の細胞に傷害を呈する濃度) 及びIC50 値(ウイルス複製を50%阻害する濃度) を決定した。In vitroレベルで既報の化合物, GLS4(CC50 =55μM, IC50 =0.015μM),と同等のSelectivity Indexを呈する化合物 GRL-07-19 (CC50 =27μM, IC50 =0.007μM),やや良好な化合物 GRL-12-19 (CC50 >100μM, IC50 =0.004μM)が見出されたものの、既報化合物より有意に強力な活性を発揮する新規化合物は未だ見出せておらず、その先の詳細な化合物評価のステップへと進めることが出来ていない。 以上のことから令和2年の研究進度および現在までの達成度は「やや遅れている」とする。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度(2021年度)は、「既報化合物より極めて強力な活性を発揮する新規化合物」のデザイン・合成・同定を最優先事項として進める。その様な化合物が見出された際は迅速に上述の評価ステップに沿って解析を進める。 一方で既報化合物よりやや良好な活性を発揮する化合物 GRL-12-19 (CC50 >100μM, IC50 =0.004μM)については可能な範囲でその先のステップである、ヒト肝キメラマウス(PXBマウス) 由来の新鮮ヒト肝細胞(PXB細胞) を用いたHBV感染実験による活性評価、加えて一過性に感染性HBVを遺伝子導入した細胞株等を用いてウェスタン・サザンブロッティングなどによる作用機序解析を実施、さらにコンピュータモデリングなどによる構造解析を協力者(Das) と連携して進める。得られた情報を元に、より強力な新規化合物のデザイン・合成・活性評価・最適化や構造解析を各協力者らと連携して強力に推進する。 2021年度の計画では有望な化合物については小動物を用いたPK実施を予定しているが、その様な評価に値する化合物が見出せない場合は、in vitro薬効試験で得られた解析結果をまとめ、構造活性相関について一定の結論を出し学術論文として発表を試みる。
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Causes of Carryover |
当該年度は新規HBVキャプシド構成阻害化合物のデザイン・合成・活性評価を開始し、新規化合物20種類の合成とCC50値(50%の細胞に傷害を呈する濃度) 及びIC50値(ウイルス複製を50%阻害する濃度)を決定したが、In vitroレベルで既報の化合物より有意に強力な活性を発揮する新規化合物は未だ見出せておらず、その先の詳細な化合物評価のステップへと進めることが出来ていない。加えて、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で実験消耗品や試薬等の納品がスムーズに運ばず、当該年度内の執行に影響が出た。 次年度は「既報化合物より極めて強力な活性を発揮する新規化合物」のデザイン・合成・同定を最優先事項として進めるが、その様な化合物が見出された際は迅速に前述の評価ステップに沿って解析を進め、有望な化合物については小動物を用いたPK実施を予定している。その様な評価に値する化合物が見出せない場合は、in vitro薬効試験で得られた解析結果をまとめ、構造活性相関について一定の結論を出し学術論文として発表を試みる。
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