2022 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティを用いたプレハビリテーションプログラムによる術後譫妄予防
Project/Area Number |
20K21623
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣田 和美 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20238413)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛方 哲也 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (80250603)
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
工藤 隆司 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (40613352)
畠山 真吾 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (10400136)
大山 力 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80282135)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | バーチャルリアリティ / プレハビリテーション / 術後譫妄 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) VRの術後せん妄(POD)への効果 泌尿器科癌根治手術患者で65歳以上のPODハイリスク高齢者で18名を対象に、VR-プレハビリテーション施行群(P群)9名とVR非施行群(NP群)9名に無作為に分けて施行した。P群で2名が除外基準より除外した。いずれの患者も、術後せん妄を生じなかった。主観年齢で見ると、P群は、VR施行後の主観年齢(平均[SD]: 71.9[6.5])は施行前(75.7[5.3])並びに実年齢(79.4[3.5])より有意に下がったが、術後1日と3日目の主観年齢(76.4[7.0]、76.0[4.1])はVR施行前(コントロール値)とほぼ同じだった。一方、NP群ではコントロール(67.4[9.9])と比べて術後1日と3日目の主観年齢(75.2[8.4]、73.9[7.3])は有意に低く、コントロールと術後3日目の値の差は、NP群でP群に比べて有意に低かった。よって、VRは精神症状に関与する主観年齢には良い影響を与えた。 (2) VRの緩和並びに慢性疼痛患者への効果 ①緩和患者13名: VRによるうつスコアのHADS(14.9[標準偏差: 6.6]から11.5[7.3])と有意に低下した。主観年齢と実年齢の差(-5.84[5.15]から-8.39[7.75]歳)は、拡大傾向にあったが有意な変化ではなかった。緩和患者のうつ症状にVRの効果はある程度有効と思われた。 ②慢性疼痛患者12名: VRによりCESDが15.8(4.4)から10.4(5.0)、並びにQIDSが8.3(5.6)から5.6(3.6)へと有意に低下した。つまりうつ状態がVRで改善した。また、主観年齢と実年齢の差は、0.3(3.2)歳から-0.9(3.1)歳)もVRにより有意に大きくなった。つまり、精神症状の改善が認められ、慢性痛患者にはVRは有効であった。
|
Research Products
(3 results)