2022 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌の予後を規定する神経周囲侵襲に関わる分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K21626
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野澤 宏彰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
川合 一茂 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80571942)
園田 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80770205)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 神経侵襲 |
Outline of Annual Research Achievements |
①閉塞の観点からみた大腸癌切除検体における神経侵襲と神経栄養因子発現の検討 2020年6月~12月の結腸直腸癌切除手術症例のうち、病理学的に壁深達度がT3以深かつ神経侵襲(Pn)陽性と診断された30例を対象とした。腸管軸方向に沿った一つの病理切り出し面につき口側肛門側のPnの有無を再評価し、かつ免疫組織染色によって腫瘍の口側肛門側のBDNFの発現を評価した。これらと閉塞の有無の関連について検討した。BDNFの発現は定性的に、発現なし、低発現、中発現、高発現に分類した。結果:非閉塞症例:20例、腫瘍の閉塞症例ステントなし:7例、ステント留置症例:3例であった。口側Pn陽性:13例、肛門側Pn陽性:17例であった。口側BDNFは発現なし:2例、低発現:3例、中発現:8例。高発現:16例、評価不能:1例であった。肛門側BDNFは発現なし:0例、低発現:6例、中発現:8例。高発現:16例であった。腫瘍による閉塞の有無やステント留置の有無との関連は見られず、また口側肛門側それぞれのPnの有無との関連も認めなかった。 ②大腸癌細胞株への伸展刺激による細胞内シグナル伝達の検討 シリコンゴム培養容器に大腸癌細胞株DLD-1を48時間培養後、血清飢餓とした。+20%の1次元の伸展刺激を5分、15分、30分、1時間、3時間、12時間加え、タンパクを回収しWestern BlottingにてERK、AKT、JNKのリン酸化を比較した。結果:DLD-1に対する伸展刺激後15分でERKのリン酸化が増加し、その後は低下した。AKT、JNKについては進展刺激による有意なリン酸化の増減は見られなかった。 以前の実験でBDNFやCTNF mRNA発現が伸展刺激後24時間で上昇するという結果を得ており、ERKのリン酸化との因果関係につき今後の研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Enhancement of radiation therapy by indoleamine 2,3 dioxygenase 1 inhibition through multimodal mechanisms2023
Author(s)
Nozawa H, Taira T, Sonoda H, Sasaki K, Murono K, Emoto S, Yokoyama Y, Nagai Y, Abe S, Ishihara S
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: 23
Pages: 62
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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