2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of amido-bridged nucleic acid-modified antisense oligonucleotides to treat gastrointestinal malignancies
Project/Area Number |
20K21629
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
神田 光郎 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00644668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80243252)
笠原 勇矢 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 創薬デザイン研究センター, サブプロジェクトリーダー (10740673)
清水 大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50723037)
田中 千恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50589786)
小寺 泰弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10345879)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 消化器癌 / Transcriptome解析 / 癌治療核酸医薬 / 高機能性人工核酸 / アンチセンス核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
早期根治切除例の予後は期待できるものの、転移・再発性となるときわめて予後不良であることは、全ての消化器癌における共通かつ重大な問題点である。全身化学療法は分子標的治療薬を中心に徐々にラインナップを増やしているが、不応・耐性が治療成績の限界を産んでおり、全く別の作用機序を有するアプローチの開発が必要である。本研究ではアンチセンス核酸医薬を用いた癌種横断的新治療薬開発を目指している。転移・再発性胃癌を対象に実施したtranscriptome 解析から (1)外部公開データでvalidation されること (2)複数の固形癌で高発現していること (3)癌における既報がないこと (4)生理的機能喪失が致死性と想定されないこと (5)心・肝・腎での発現が豊富でないこと (6)siRNA でのノックダウンにより細胞増殖能抑制効果が確認できたこと、の全てを満たす5 つの標的候補を抽出した。これら5 分子に対して、それぞれ10~30 候補配列を合成した。アンチセンス核酸をCEM (Ca2+enrichment of medium)法によりトランスフェクションし、標的分子のノックダウン効率を濃度依存性に比較評価した。ついで選抜配列を用いて癌種横断的(胃癌、食道癌、膵癌、大腸癌、肝癌)に細胞株に対する細胞増殖阻害能をin vitro で調べた。その結果、膜タンパクA に対するアンチセンス核酸が、最も優れた癌細胞抑制効果を示すことが明らかとなった。膜タンパクA を中心にデータ構築を進めた。生態・恒常性維持における役割を調べるため、ノックアウトマウス作成を開始した。薬効機序を明確にするためにアンチセンス核酸投与による各種細胞機能および癌関連細胞内signaling pathway の発現・リン酸化の変化を順次、調査開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
十分な数と考えられるアンチセンス核酸配列数をデザイン、合成した上で、より有望な標的分子とアンチセンス核酸配列をスクリーニングした。主としてノックダウン効率と、細胞増殖能抑制効果を判断基準としてスクリーニングを進め、創薬標的分子を膜タンパクA に決定するとともに活性の高い2 配列を取得することができた。他の4 分子に関しても、癌進展に関与しうる分子として基礎データは取得されており、それぞれの成果は英文論文発表につなげている。膜タンパクA を中心にデータ構築を進めるべく、ノックアウトマウス作成を開始した。薬効機序を明確にするためにアンチセンス核酸投与による各種細胞機能および癌関連細胞内signaling pathway の発現・リン酸化の変化を順次、調査開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
膜タンパクA に対するアンチセンス核酸の有望2 配列を用いて、癌種横断的(胃癌、食道癌、膵癌、大腸癌、肝癌)に細胞株に対する細胞増殖阻害能をin vitro で調べる。膜タンパクA ノックアウトマウスを樹立し胎生死の有無・成長・代謝および生殖を経時的に観察する。網羅的リン酸化解析で得るデータをもとに膜タンパクA 阻害によって影響を受けるシグナルを同定し、Western blotting 法で詳細に検討する。有望配列のin vivo での活性も評価する。腹膜播種モデルあるいは皮下腫瘍モデルに対するCEM 法での腹腔内投与での造腫瘍能を評価する。コンパニオン診断の開発につなげる発現データを得るべく、組織検体を対象に免疫染色法を実施し、発現症例が選別可能かを調べる。CSRNP3、CPLX1 についても、固形癌進展への関与を調査し、英文論文発表を目指す。
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Causes of Carryover |
シグナル解析に使用予定であった試薬類の経費に未使用分が生じたが、次年度に実施するWestern blotting法に必要な試薬類、抗体類に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)