2020 Fiscal Year Research-status Report
Proposal of a novel therapy for bullous keratopathy based on human-derived multiomics analysis
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20K21663
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山口 剛史 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20383771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 一成 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60398782)
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 水疱性角膜症 / 前房水 / メタボローム解析 / 角膜内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
水疱性角膜症では、ミトコンドリアの形態異常(空胞変性)、電子伝達系関連遺伝子の低下、前房水での前房水の糖代謝の低下がみられることを受けて(Yamaguchi T, et al, Science Advances 2020)、虹彩萎縮と水疱性角膜症を伴う眼の前房水のMetabolome解析を行った。解析したのは、白内障(コントロール):n = 10眼, 遺伝性角膜内皮疾患(Fuchs角膜内皮ジストロフィ、以下Fuchs):n = 8眼,後天性角膜内皮障害(水疱性角膜症、以下PBK):n = 13眼の合計 31眼で、LC-MSによるメタボローム解析を行った。結果をHeat mapにすると、コントロール、Fuchs、PBKで代謝物質に明らかに異なる傾向があることが示された。さらにPCA解析を行うと、3群は多少のオーバーラップはあるものの異なる傾向があり、PLS-DA解析で特徴化に寄与する物質として、Adenosine、Cystein、Hydroxylisine、ADMA、Prolineがあることが示された(大きい順に)。また、前房水で濃度が濃い代謝物質として、高い順にLactate, Pyruvate, Glucose、Frucnate、Fructose、Glutamineが測定され、Fuchsの前房水では、コントロールとPBKと比較して、統計学的に有意にGlucose濃度が低いことが分かった。また、酸化還元反応に関与するGSH、Cys濃度は、正常、Fuchs、PBKの順で高い傾向があった(N数が少ないため統計学的な有意差はなし)。ミトコンドリアや酸化還元反応の慢性的な異常が、角膜内皮疾患ではあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトの角膜疾患(コントロールを含めて31眼)での前房水のメタボローム解析がうまくいくことが分かった。今後は、眼数を69眼たし、合計100眼のメタボローム解析をして統計学的有意差がある結果にしていく予定である。一方で、研究計画のもうひとつの柱であるヒト組織を用いたEx vicoの実験が停滞しているため、今年度はEx vivo実験を重点的に進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト角膜内皮細胞の電子顕微鏡で病態にミトコンドリア内に空胞変性とミトコンドリア膜電位低下がみられた。角膜内皮細胞のTranscriptome解析では、ミトコンドリア関連遺伝子の発現異常、SIRT1/NAPMTの低下があった。したがって、正常な輸入アイバンク眼と水疱性角膜症患者の角膜内皮細胞で、①NAD濃度の測定、②NMN100・300μg /mL・含有なし、またはSirolimus10・30μg/mLと含有なしの培養液で、6-12-24時間培養後のミトコンドリア膜電位を反映するJC-1染色と糖代謝物濃度(乳酸/ピルビン酸/ATP)を測定しNMNとSirolimusの薬理効果を検証する(各5眼;1眼を1/3に分割し3群にする)。また水疱性角膜症(50眼)と正常眼(30眼)の前房水のNAD/NADH濃度を測定する。これまで、ヒト角膜内皮細胞のTranscriptome解析が27眼で行っているため(2回にわけて同じ条件で実施。統計が2つに分かれていたのを1つにまとめて検証する予定)、この統計解析も進めていきたい。
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Causes of Carryover |
メタボローム解析など順調に研究計画は進んでいるが、一方でEx vivoの実験が進んでいたいため、使用額に変更が生じた。2021年度にしっかり研究を進めていく所存です。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Pathological processes in aqueous humor due to iris atrophy predispose to early corneal graft failure in humans and mice.2020
Author(s)
1.Yamaguchi T*, Higa K, Yagi-Yaguchi Y, Ueda K, Noma H, Shibata S, Nagai T, Tomida D, Yasu-Mimura R, Ibrahim MO, Matoba R, Tsubota K, Hamrah P, Yamada J, Kanekura K, Shimazaki J.
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Journal Title
Science Advances
Volume: 6
Pages: eaaz5195
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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