2021 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨嚢胞自然発症マウスモデルを用いた、顎骨嚢胞形成の分子機構解明への挑戦
Project/Area Number |
20K21677
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
犬伏 俊博 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30550941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 晋 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00367541)
黒坂 寛 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20509369)
内橋 俊大 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60757839)
山城 隆 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (70294428)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | エナメル質形成不全 / Tmem2 / ヒアルロン酸 / 顎嚢胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
一次繊毛のマーカーに対する抗体を用いてTmem2;K14-Creマウスの口腔上皮、ヘルトヴィッヒ上皮鞘ならびに嚢胞組織の免疫組織化学的染色を行ったが、明確な差異は認めなかった。一方、Tmem2;K14-Creマウスのエナメル上皮において細胞極性の乱れがあることをHE染色の組織学的解析にて明らかにした。そこで、エナメル上皮において細胞極性の制御に関わる接着分子の発現を免疫組織科学的染色にて検討した。その結果、integrin b1、vinculinといったfocal adhesionに関与する分子のエナメル芽細胞と基底膜における発現がTmem2;K14-Creマウスにおいて低下していることが明らかになった。さらに、F-actinの染色性低下やClaudin1の染色性の低下をTmem2;K14-Creマウスにおいて認めたため、細胞間のtight junctionに異常が生じていることが明らかになった。ヒアルロン酸結合タンパクであるHABPを用いたヒアルロン酸の局在検討では、野生型マウスのエナメル芽細胞層ではヒアルロン酸の発現を認めないのに対して、Tmem2;K14-Creマウスではエナメル芽細胞間隙にヒアルロン酸の局在を認めた。このことから、エナメル芽細胞と基底膜間のボーダー機能が失われていることが示唆された。Integrin b1のノックアウトマウスは嚢胞形成を認めることが報告されており、細胞接着機構の破綻がTmem2;K14-Creマウスにおける顎骨嚢胞の形成を引き起こしてる可能性が考えられた。そこで、野生型マウスならびにTmem2;K14-Creマウス歯胚よりRNAを抽出し、RNAシークエンスによる遺伝子発現の網羅的解析を進めている。一方、当初計画したGFP融合Tmem2を発現する遺伝子組み換えマウスの作製を複数回試みたが、目的のマウスを得るには至っていない。
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Research Products
(4 results)