2023 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害時の個人識別における死後CT利用と多職種連携チーム編成の試み
Project/Area Number |
20K21699
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 真衣子 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (70317139)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 法医画像診断 / 個人識別 / 法医学 / 大規模災害 / 身元不詳遺体 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度にも、千葉県警からの依頼により行ってきた死後画像を用いた身元不詳遺体の個人識別意見書の作成を継続した。同意見書は計25例の報告となり、個人識別における画像利用の有用性の普及に一定の成果を出したものと考えられ、日本災害学会、国際法医放射線画像診断学会(ISFRI: International Society of Forensic Radiology and Imaging)、国際災害学会(World Association of Disaster and Emergency Medicine)において詳細を報告した。今後随時論文化してゆく予定である。また研究代表者は、研究最終年度に豪州ビクトリア法医学研究所にリサーチフェローとして留学した。同研究所は、2009年のビクトリア州の山火事の際の身元不詳遺体の個人識別に死後CTを用い、大規模災害時の個人識別における画像利用の有用性を世界に先駆けて報告した先進施設である。研究代表者は同施設内の大規模災害時ワーキンググループの一員となり、同施設の過去の災害時の対応の実際、将来起きうる災害への備えの実際とその際の画像の位置づけ、多職種の連携の実際について詳細に学んだ。また、同研究所の法医放射線科医であり山火事の際の画像利用を行ったクリス・オドンネル博士との共同作業により、同研究所が実際の災害時に用いる死後画像ワークシートの改訂に携わり、研究代表者の滞在期間中におきたビクトリア州内での小規模な災害時に、同ワークシートを用いたスクリーニングの手法について研修した。また研究代表者は、前述のISFRIの大規模災害時ワーキンググループに参加し、同領域の海外研究者との連携を継続、今後は国際的な多施設共同研究の企画に参加する予定であり、来年の日本開催のISFRIでは同テーマのシンポジウムの企画を担当する予定でもある。
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Remarks |
同groupがこれまでに出した声明文へのリンク等が上記のページで確認できる。
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