2020 Fiscal Year Research-status Report
Both Lives - Narratives of Family Experiences of Pregnant Women with Cancer and the Development of a Decision Support Model
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20K21701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上別府 圭子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (70337856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (00332601)
藤井 知行 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (40209010)
大須賀 穣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80260496)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | pregnancy and cancer / family / narratives / mixed methods / decision support |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、妊娠期がん(妊娠期に発症するすべてのがんを本調書では「妊娠期がん」と呼ぶ)を発症した女性患者(サバイバー)、パートナー、親などの家族の経験を、システミックに明らかにし、これにより、妊娠期がんの患者家族への、望ましい意思決定支援の方法を導き出すことである。この目的を達成するために、2020年度は、後ろ向き観察研究(質的研究法)として、妊娠期がんのサバイバー家族に、家族合同インタビューを実施する予定であった。しかし別に記したように、COVID-19 関連の諸々の影響により、研究の推進が妨げられた。 このため、以下のような関連領域や方法論についてのレビューを行った。すなわち、Young Adult 期発症のがんサバイバーにおけるBio-Psycho-Social な課題についての先行研究のレビューや、Biographic Narrative Interpretive Method などの質的研究の方法論についてのレビューと検討を進めた。さらに、子育て期の親ががんにり患した場合の家族システムの揺らぎと必要な支援について、機縁法により、看護師、ソーシャルワーカー、サバイバーらとディスカッションを行った。 これらは、妊娠期がんサバイバーが直面する課題と共通している点、質的データの分析方法として当研究において最適な候補である点、また、サバイバー本人や関係者からの声から妥当性のある質的・量的調査項目を選定するための準備として、重要な手続きであったと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19 感染拡大に伴う非常事態宣言下で、所属機関では新規研究を開始することが禁止された期間があった。さらに、パンデミック下で実施する大学院入試の方法を1から構築しなければならないなど、研究者が教育領域に膨大なエフォートを割かなければならなくなり、研究に割けるエフォートが減じた。また、感染者対応に追われる医療機関において、新規研究が敬遠され、対象者になる患者・家族も感染問題に関心が奪われるなど、研究者側、研究フィールド側、研究対象者側すべてにおいて不利な条件が重なり、研究の進行が妨げられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もCOVID-19 の感染状況は改善したとは言えないが、オンライン面接などのノウハウは成熟し、一般市民の抵抗も減少した。この状況を活かし、遠方の対象者にはオンラインでのインタビュ―調査を実施する。オンライン面接では、別に暮らしている家族員がvirtual に一堂に会すことも可能になるので、合同家族面接も実施可能である。質的研究から開始し、課題の本質を熟考したうえで、量的研究をデザインし、必要に応じて、オンラインを活用した調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
COVID-19 の感染拡大に伴う影響により、研究者側(研究にエフォートを割くことができない事情)、フィールド側(新規研究を受け入れることができない事情)、対象者側(感染症拡大に伴う心配事や生活の変化への関心の増大による事情)の三者に不利な条件が重なり、研究の進行が妨げられた。2021年度も感染状況は改善したとは言えない環境下ではあるが、三者ともにこの環境下での過ごし方に順応し、対処方略を身につけた。 オンライン調査システムの構築(量的調査用・面接調査用)、研究協力家族への謝金、アドバイザーへの謝金等に、使用する計画である。
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[Book] がん看護2021
Author(s)
大城 怜,上別府圭子
Total Pages
340
Publisher
南江堂
ISBN
978-4-524-24812-4
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