2023 Fiscal Year Annual Research Report
異分野融合研究による女性ホルモンの変動と口腔マイクロバイオームの関連の解明
Project/Area Number |
20K21704
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向井 加奈恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30755335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貝 和裕 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (40706983)
南 香奈 金沢大学, 保健学系, 助教 (30819389)
堀口 智美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (40768826)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 女性ホルモン / マイクロバイオーム / 異分野融合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、次世代シークエンサーとバイオインフォマティクス解析技術を用い、女性ホルモンの変動と口腔マイクロバイオームの関連について明らかにすることを目的とした。この目的を明らかにするために、対象からのサンプル採取、基礎体温やホルモン濃度から次世代シークエンサー分析時期の選定、次世代シークエンサー分析とバイオインフォマティクス解析を行った。健康成人女性11名(年齢:23-36歳、BMI:18.0-30.6、月経周期:25-43日)を対象とした。いずれの対象者も調査期間中に口腔内トラブル(口内炎など)は自覚していなかった。口腔内細菌叢の上位20細菌属の存在比において、卵胞期におけるStreptococcusの存在比は黄体前期および黄体後期の存在比よりも有意に高かった(p < 0.05)。また、Prevotella 7の卵胞期における存在比は黄体前期および黄体後期の存在比よりも有意に低く(p < 0.05)、Prevotella 6の卵胞期における存在比は黄体前期よりも有意に低かった(p < 0.05)。さらに、α多様性指標のうち、卵胞期におけるSimpson指数は黄体前期の指数よりも有意に低く(p < 0.05)、黄体後期の指数よりも低い傾向(p = 0.064)であった。これらの結果より、健康成人女性の月経周期における特徴的な口腔細菌叢の変化が明らかとなった。特に、Streptococcus属とPrevotella属の卵胞期と黄体期(初期・後期)における相反する変化を明らかにした点が本研究のオリジナリティである。今後は歯肉炎といった口腔内トラブルを自覚する成人女性における性周期の口腔内細菌叢の変化を調査し、口腔内環境と口腔内細菌叢の関係性を明らかにする必要があると考える。
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