2021 Fiscal Year Research-status Report
平衡感覚障害を誘導する有害元素の特定と予防法の開発
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20K21708
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大神 信孝 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (80424919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 和宜 名城大学, 薬学部, 助教 (10816242)
杉本 賢文 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30759668)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 平衡感覚障害 / 有害元素 / 前庭 / 内耳 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】転倒転落事故の増加は世界中の社会問題となっている。転倒転落は高齢者が要介護となる主原因であり、労働者の場合は労働災害の重大死亡事故の主原因である。平衡感覚障害は転倒転落事故に直結する為、危険因子の特定は急務である。これまでに我々はヒ素(As)などの有害元素の飲水曝露は難聴(内耳のコルチ器の障害)のリスクを増大させる事を報告してきたが、平衡感覚 (内耳の前庭)への影響は全く分かっていない。本研究は、疫学研究と実験研究の融合により、ヒトとマウスで平衡感覚障害を誘発する有害元素を特定し、予防法を提案する。 【成果】本年度はマウス前庭の有害元素の解析に向けた予備的検討として、内耳の元素解析を実施した。検出下限界以下の元素もあったが、複数の元素が検出下限界以上のレベルで測定できた。内耳には骨組織も多く含まれている為、今後は、内耳から前庭を単離して、有害元素の解析を進める予定である。また、in vivoの評価と共に、前庭器官培養系で有害元素の影響を調べたい。ヒトを対象にした解析では、有害元素のイメージング解析データをもとに考察した健康リスク論文を発表した。ヒトを対象にした平衡感覚の評価の準備も順調に進んでいるので、今後、生体サンプル中の有害元素の関連を調べる予定である。 【意義、重要性】平衡感覚障害のリスク評価について、in vitroやex vivoで評価方法は限られている。本研究の成果によりリスク評価が可能になった為、より迅速に有害元素の影響を評価できる事が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス組織の有害元素の測定のセットアップは概ね計画通りに進行している。マウスの組織を用いた有害元素のイメージング解析は論文発表できており、今後は様々な組織で解析出来るようにセットアップする。また、ヒトを対象にした重心動揺検査や聴覚測定の準備は計画通りに進んでいる、生体サンプル中の有害元素を測定する方法は本年度に発表した論文で既に実施しており、本研究でも解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスの前庭組織を対象にした有害元素のリスク評価を進める。また、前庭器官培養系も用いて有害元素のリスク評価を進める。前庭の組織採取では、内耳が微小な組織である為、短時間で効率よく採取できる手技が要求される。予備検討の回数を増やし実験従事者の実験精度を高める。また、ヒトを対象にしたアンケート調査と共に重心動揺検査や聴覚検査を進め、疫学研究も推進する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: 学会発表がオンラインに変更された為、予定していた出張の旅費の支出が減少した。また、研究協力者の事情により実験動物の繁殖・維持などの実験補助が減少し人件費の支出が減少したが、研究代表者が指導する大学院生が代わりに実験動物の繁殖・維持を担当して研究自体は概ね予定通りに進んでいる。 使用計画: 次年度も複数の学会発表を予定しており、出張できる状況になり次第、旅費として使用すると共に、研究をより迅速に展開する為に、研究協力者を雇用する人件費として使用する。
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Research Products
(13 results)