2023 Fiscal Year Research-status Report
医師の臨床判断を考慮した実診療データにおける欠測値の新しい推定方法
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20K21715
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
奥原 義保 高知大学, 医学部, 名誉教授 (40233473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠山 豊 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (00376956)
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (80398049)
久原 太助 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
堀野 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (90448382)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Keywords | Real World Data / 検査値推定 / 蛋白電気泳動 / 検査欠測 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、「欠測は医師が患者の臨床症状など事前の情報から検査の異常は無いと推測した結果」という仮定を設定、より検証しやすい「欠測群の検査陽性率は低い」という命題が成り立っているか、勾配ブースティング決定木(GBDT)による2クラス分類の予測モデルを用いて、蛋白泳動は測定されたが生化学・血液検査に欠測がある場合の検査値を推定し、欠測検査の推定陽性率と評価データの実測陽性率を比較検定した。 さらに各検査項目の陽性・陰性の閾値を変化させて陽性率の変化を調べた。対象とした血液検査は、CRP,WBC,HbA1c,D-Bill,γGT,BUN、リウマチ因子(RF)、補体蛋白 (C3) 、補体蛋白 (C4)、KL-6 (CLEIA) 、フェリチン(ECLIA)、甲状腺刺激ホルモン TSH (ECLIA)、CA19-9(ECLIA)、遊離トリヨードサイロニン F-T3(ECLIA)、遊離サイロキシン F-T4(ECLIA)、抗SS-A/Ro抗体 定量、癌胎児性抗原CEA(ECL)、FDP-Dダイマー定量である。その結果、BUN, CRP, γGT, 白血球数(これらはルーチン検査)、F-T3,F-T4,CEAについては、両群の陽性率に有意な差は見られなかったが、その他の検査については欠測群の陽性率の方が小さく、統計的にも有意であった。 陽性閾値の変化と陽性率の変化については、CRP,γGT以外は、閾値をより異常な値の方にずらすことにより、実測群、欠測群の両群とも陽性率は減少した。両群の比較では欠測群の陽性率の方が低くなる傾向が見られ、欠測群の検査値の分布が実測群の検査値の分布に比べて、全体としてより正常な方向にずれていることを示唆している。 このことにより、Real-World Dataによって「欠測群の検査陽性率は低い。」という仮定の正しさが示されたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、データベース化した蛋白電気泳動検査結果に対応する患者の電子カルテ自由記載情報を抽出・特徴量化したデータを、新しく設置・拡張するサーバーでデータウェアハウス(DWH)化する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響等で情報機器の製造・流通が減少したため、導入予定のサーバ納入が遅延し、2023年1月に導入完了したため本格的な解析の開始が遅れたことが計画進行の遅延につながった。
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Strategy for Future Research Activity |
血清蛋白分画検査の波形情報から正確で定量的な推定ができれば、実診療の検査結果を補完、レトロスペクティブ研究に大きな貢献すると考えられ、最終的には、検査欠測値の正確で定量的な推定方法の確立をめざす。ただし、既に存在する膨大なReal- World Dataには、必ずしも血清蛋白分画検査の情報は含まれておらず、そうした現存データの活用のためには使えない。他の検査や電子カルテの記載等から欠測値を正確に推測できるモデル構築の可能性も検討し、血清蛋白分画検査の情報が無い既存のReal- World Dataの活用への拡張を検討したい。
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Causes of Carryover |
2022年度は、データベース化した蛋白電気泳動検査結果に対応する患者の電子カルテ自由記載情報を抽出・特徴量化したデータを、新しく設置・拡張するサーバーでデータウェアハウス(DWH)化する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響等で情報機器の製造・流通が減少したため、導入予定のサーバ納入が遅延し、2023年1月に導入完了した。このため、解析が当初計画した予定どおりに進まず、結果の発表に至らなかったため学会参加の旅費や論文作成のために予定していた予算の執行がなかった。2023年度は、結果の学会発表は行ったが、論文作成は間に合わずそのための予算執行が無かった。2024年度は論文作成のための英文校正や投稿料などに使用する予定である。
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