2021 Fiscal Year Research-status Report
脳ー腸ー脂肪連関における腸内細菌叢の測定意義についての疫学研究
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20K21719
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大平 哲也 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50448031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 昌彦 公益財団法人大阪府保健医療財団大阪がん循環器病予防センター(予防推進部・循環器病予防健診部・健康開発, その他部局等, 副センター長 (10450925)
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90450923)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 腸内細菌叢 / 生活習慣 / 地域住民 / 疫学研究 / ストレス / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会心理的ストレスと多くの生活習慣病との関連が報告されているが、近年、脂肪・糖代謝との関連、及び腸内細菌叢との関連が注目されるようになり、社会心理ストレスは内分泌・代謝系、腸内環境系の双方に関連している可能性がある。そこで本研究は、社会心理的ストレスと脂肪・糖代謝異常との関連に腸内細菌叢の不均衡が介在するという仮説のもとに、脳ー腸ー脂肪・糖代謝の相互連関の可能性を検証することを目的とした。地域住民を対象に社会心理的ストレス、腸内細菌叢、及び脂肪・糖代謝との関連を横断的に分析するとともに、追跡調査によって、長期に渡る社会心理的ストレス及び脂肪・糖代謝の変化が腸内細菌叢に及ぼす影響、及び腸内細菌叢が心理的ストレス、脂肪・糖代謝に及ぼす影響を明らかにする。これにより社会心理的ストレス、腸内細菌叢、及び脂肪・糖代謝と の相互連関に学術的に貢献できることに加え、我が国の生活習慣病、精神的疾患の予防対策の新たな方策に貢献できる可能性がある。 本年度は秋田県において健診に参加した者のうち、主に40~69歳女性を対象として腸内細菌叢検査を予定したところ、132人が検査を希望され、そのうち125人に対して調査結果が得られた。今回の結果と以前男性を対象として実施した結果を比較したところ、善玉菌として知られる乳酸菌及びビフィズス菌の割合は男女それぞれ0.20%と0.39%、及び1.09%と6.31%であり、どちらも女性の方が高いことが明らかになった。また腸内の細菌の多様性の指標である多様度指数も女性の方が高く、より望ましい腸内環境であることが示唆された。これらの結果をベースラインとして次年度に腸内細菌層と脂肪・糖代謝との関連を前向きに検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はコロナ禍により、地域住民における健診が半年間ほど延期になった。そのため、調査結果をまとめる時期が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の健診の結果と今回までの結果を紐づけることにより腸内細菌叢と脂質・糖代謝異常及び心理的ストレスとの関連を前向きに検討するとともに、過去の健診における脂質・糖代謝異常及び心理社会的ストレスとの関連を検討することにより、社会心理的ストレス、腸内細菌叢、及び脂肪・糖代謝との相互連関を明らかにする。
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Causes of Carryover |
コロナ禍において地域住民健診における腸内細菌叢の検査が1年間実施できなかったため、次年度に最終調査を行う予定である。次年度の腸内細菌叢検査とその旅費、データベースの作成、及び解析費用として使用予定である。
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