2022 Fiscal Year Annual Research Report
絆をつむぐ周産期グリーフケアの実装:看護職リトリート・プログラムの導入
Project/Area Number |
20K21728
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 特命教授 (70157056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 菜穂子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80317495)
島津 明人 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (80318724)
岡田 明子 (蛭田明子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 教授 (80584440)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 周産期喪失 / グリーフケア / 助産師 / 共感疲労 / リトリート |
Outline of Annual Research Achievements |
流産・死産・新生児死亡により周産期に予期せず子どもを失った女性とその家族の悲しみは計り知れず、看護職による十分なグリーフケアが求められる。一方、グリーフケアを担う看護職は十分な支援を受けられておらず、グリーフケアに自信がなく、組織からの支援も不足との報告がある。本研究では、周産期のグリーフケアに携わる支援者である看護職のリトリート・プログラムの開発に焦点を当てる。本研究の目的は、周産期グリーフケア研修にリトリート・プログラムを導入し、看護職がケアに対する自信を獲得し、共感疲労のリスクを低減することを評価する。評価は、研修前後および、その後1ヶ月毎に6か月間追跡した。 参加した助産師は26名であり、臨床経験が2年-10年の者が88.5%であった。知識については、「十分」と評価した者は、研修前にはゼロであったが研修直後は13人に増加し、その1ヶ月後には6人と減少するが、研修後5ヶ月後に15人(57.7%)、6ヶ月後に17人(65.4%)と上昇していった。支援スキルについては、研修前にはゼロであったが研修直後、研修後4か月後と6ヶ月後にはそれぞれ6人(23.1%)に至っていたことから、研修の成果は一定程度あったと考えられる。しかし「組織的支援が十分」については、研修前後および6ヶ月を経ても、十分だという認識はなく変化がなかった。研修後6か月間を追跡している中で、臨床実践の経験と「支援スキル」の得点の上昇が有意に認められ、また、共感疲労の得点が低下する現象が認められた。研修プログラムに必要な支援スキルの知識と技術を学ぶ機会を設け、共感疲労のリスクを低減する内容をいれたことは一定の評価を認めた。今後の課題として、周産期喪失ケアに関連した組織的支援を要請するための組織変革に必要なプログラムの開発が残された。
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Research Products
(1 results)