2021 Fiscal Year Research-status Report
「複雑な意思決定」を支援するわかりやすいディシジョンエイドのチェックリスト開発
Project/Area Number |
20K21729
|
Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 佑貴 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 講師 (50583845)
大坂 和可子 慶應義塾大学, 看護医療学部(信濃町), 准教授 (70322344)
|
Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
Keywords | 意思決定支援 / ディシジョンエイド / 意思決定支援ガイド / ヘルスコミュニケーション / 患者中心の医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
「複雑な意思決定」とは、十分に情報がないと決められなかったり、何を大切にするかを考えないと答えが出なかったりするような意思決定であり、人によって長所(利益)や短所(リスク)の認知や評価が異なる特徴を持つ選択肢がある意思決定である。本研究では治験を取り上げ、治験の目的や二重盲検、ランダム化、プラセボ対照という実験的手法を理解し、参加・不参加のメリットとデメリットについて自身の価値観に基づいて判断した上で、納得した意思決定を支援するための「治験用ディシジョンエイド」(以下、治験用DA)を開発した。 今年度はこの治験用DAが、インフォームドコンセント補助を行う治験コーディネーター(以下、CRC)のシェアード・ディシジョンメイキング(以下、SDM)実施意図を促進するか、またその影響要因は何であるかについて、web質問紙を用いた横断的調査研究で検討した。約400名からの回答を分析した結果、約7割以上がSDMの9ステップを実施していると認識しており、治験用DA使用を想定した場合、約7-8割がSDMの実施可能性が増えると回答した。分散構造分析の結果、CRCのSDM実施意図を高めるためには、治験DAが有用であることが明らかになった。また、CRCの医療資格や所属によってSDMへの認識の違いが生じていた。 さらに現在は、「分かりやすいDA」チェックリスト作成に着手している。チェックリスト項目選定のため文献レビューを行い、ユニバーサルデザイン(UD)フォントの使用・色覚多様性に配慮した色彩設計・文字組の使い分け・イラストの効果的配置等の項目を挙げた。また、これらをDAの国際的質基準に基づき分類した。今後、DA開発者参集のもと、内容の協議・ブラッシュアップを行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査の実施及び分析に着手している。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度「分かりやすいディシジョンエイド」チェックリストを作成しており、今年度はディシジョンエイドの開発経験者により、チェックリストの不足点や改善点などの指摘をしてもらう予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度に「分かりやすいディシジョンエイド」のチェックリストを完成させ、ウェブサイトでわかりやすく見やすいコンテンツを作成する予定である。
|
Research Products
(11 results)