2020 Fiscal Year Research-status Report
AIを活用した在宅医療における多職種の情報一元化を可能とする連携システムの開発
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20K21736
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
藤井 徹也 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (50275153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 美紀 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (10315913)
箕浦 哲嗣 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80315910)
篠崎 惠美子 人間環境大学, 看護学部, 教授 (50434577)
山口 直己 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (70434579)
山根 友絵 豊橋創造大学, 保健医療学部, 准教授 (70734028)
酒井 一由 藤田医科大学, 保健学研究科, 准教授 (90215583)
工藤 慎太郎 森ノ宮医療大学, 保健医療学部, 准教授 (70737915)
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
堀元 美紗子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 助教 (90802637)
西尾 亜理砂 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (40551239)
栗田 愛 人間環境大学, 看護学部, 講師 (50759149)
長谷川 小眞子 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (20269591)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 人工知能 / 在宅医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療における人工知能(以下:AI)システムの活用について、文献検討を行った。2010年以降の27件の文献を分析対象とした。うち19件がAI技術活用の論文であった。2010年代以降にディープラーニングが活用されるようになり、画像データを用いた画像認識が11件、動画を用いた評価が1件、生体計測データが1件、テキストデータが2件、複数のデータを組み合わせた内容が4件であった。画像データでは、主にCTやMRI、超音波画像が用いられていた。動画では、自動的に歩行を評価することに活用され、生体計測データでは、姿勢の分析から運動課題の選定に活用されていた。テキストデータからは、インフォームド・コンセントの質の自動判定や健診受診行動の推定に活用されていた。複数のデータの組み合わせでは、脳機能データ、一般血液データ、認知機能から軽度認知症の推定等に用いられていた。しかしながら、開発段階のものが多く、また、今後の活用に向けた前段階の研究も複数認められた。AIの果たす機能の「識別」については、「画像認識」がほとんどであり、「動画認識」「音声認識」の活用は少なかった。今後のAI活用に向けての研究は、保健指導問診・介入システムの開発、離島での遠隔医療などが報告されていた。これらのことから、在宅医療・介護におけるAI活用の可能性としては、遠隔医療、介護予防事業への活用、慢性疾患患者への保健指導が期待される状況であると考える。また、認知症のBPSD発症予測と対応方法を導出するシステムでは、介護従事者の負担軽減と認知症高齢者を介護する家族の負担軽減にも繋がると考えられる。さらに、地域包括ケアシステムの一部として各活用内容を組み込むことで、在宅医療・介護分野におけるケアの質の向上や専門職の業務の効率化が期待できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人工知能(以下:AI)についての情報収集は、一定の成果を挙げまとめることができた。AIについての質問調査は、6月から実施を計画していたが、コロナ禍の影響で会議などを定期的に開催することができず、質問項目の最終評価を行うことができなかった。また、協力を予定していた医療関係者についてもコロナ禍の影響で本務が多忙のため、計画どおりに定期的な打ち合わせを行うことが困難な状況となり、在宅医療者への実践に必要な情報収集を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、在宅医療者への実践に必要な情報項目、判断指標について担当研究者間で検討をしており、6月に倫理審査を受け、7月~8月に調査、10月には分析を行い、2021年度中に発表予定であり、当初の計画通りに進捗できると考える。事例聴取グループについては、研究依頼をしていた対象者が新型コロナウイルス対応のため、協力が困難な状況が予測されるため、文献からの情報収集内容を中心として、インタビューガイドを作成する予定である。当初計画では、無記名自記式質問紙調査の予定であったものをインタビュー調査に変更し、データを収集・分析する。なお、無記名自記式質問紙調査が可能となった場合は、インタビュー調査後に行う。このことで、当初計画どおりに進捗できる。AI開発グループについては、運用準備について対面での打ち合わせが必要であり、若干進捗が遅れる可能性がある。しかしながら、プレ運用は、2021年度中に開始できる予定である。
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Causes of Carryover |
主として研究打ち合わせのための旅費および調査のための郵送費が、COVID-19の影響により使用できなかた為に次年度使用金が生じた。2021年度に研究打ち合わせおよび調査実施の計画を立てている。また、2021年度の当初計画の調査実施も研究者間で検討し、実施が可能であることを確認している。このことから、翌年分の請求額と合わせ使用する予定である。
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Research Products
(1 results)