2020 Fiscal Year Research-status Report
認知疲労を予防する慢性ストレスマーカーの開発：毛髪コルチゾールからの検討
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20K21744
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
征矢 英昭 筑波大学, 体育系, 教授 (50221346)
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| Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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| Keywords | 毛髪コルチゾール / 認知疲労 / ストレス / バイオマーカー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
多くのストレッサーに苛まれる現代において、慢性的ストレスは食欲不振や免疫能、気分の低下 (抑うつや不安) を招く。この生理指標として、ステロイドホルモンが有用な指標になる。しかし、血液や唾液、尿中から検出されるステロイドホルモンは、いずれも急性のストレス反応を反映し、慢性ストレスを評価する場合は、何度も繰り返し採取する必要があり、侵襲が大きく、精度も悪かった。近年、被験者への負担が少なく、慢性ストレスを評価できる手法として、毛髪に貯蔵されるステロイドホルモン注目されている。我々は、毛髪中のコルチゾール測定法を確立し、アスリートのオーバートレーニングをモニターする新たな生理指標を提案している。本研究では、この毛髪中ステロイドホルモンの定量評価法を駆使し、高齢者を含む健常成人における認知機能（認知疲労・精神疲労）と慢性ストレスの関係性を明らかにする。
初年度は、毛髪コルチゾールの測定方法の改善と（実験１）、毛髪中コルチゾールと認知機能について、健常若齢成人から健常高齢者までを対象とした横断研究を実施した。実験１では、毛髪コルチゾールの測定方法の改善のために機械的粉砕の導入を試み、同じ測定精度で１回あたりの毛髪採取量を約半分に減らした計測が可能となった。実験２として、若齢成人から高齢者の幅広い年代を含む、健常成人に対して横断的調査を行い、毛髪中コルチゾールが日々の心理的な仕事の負担や心理的疲労度を予測することが示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19感染防止対策により、測定項目は限定せざるを得なかったものの当初の予定どおり、健常成人に対して横断的調査を実施することができた。想定していた心理的疲労度と毛髪中コルチゾールの関係を確認することができた。また、粉砕方法の改良により測定効率が向上し、次年度の縦断的な検証に向けて準備が整っている。
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| Strategy for Future Research Activity |
高齢者を含む健常成人に対象に、認知機能、心理的な疲労度、抑うつ、毛髪中コルチゾールについて、横断的アプローチに加え縦断的に個人内変動をモニタリングし、慢性ストレスを原因とした認知疲労や加齢による認知機能低下のバイオマーカーになるか検証する。
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