2021 Fiscal Year Annual Research Report
多価不飽和脂肪酸中の炭素数および二重結合数が保健機能へ与える影響の精査
Project/Area Number |
20K21748
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
後藤 直宏 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (60323854)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 多価不飽和脂肪酸 / 保健機能 / 炭素数 / 二重結合数 / 有機合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、炭素数24、二重結合数7(24:7)、炭素数26、二重結合数7(26:7)などの天然界に存在するPUFAより炭素数が多く二重結合数が多い脂肪酸を合成し、炭素数や二重結合数がさらに多くなると脂質代謝改善能はどのように変化するかを精査し、PUFAにおける炭素数及び二重結合数が脂質代謝機能にどのように影響を与えるかを明らかにするものである。2020年度は、DHA(22:6)から5段階の反応で26:7を合成する方法を確立するに至った。なお、最終収率は8.16%であった。そこで2021年度は、合成した26:7が脂質蓄積に与える影響を精査するためにHepal-6細胞を用い、他の脂肪酸(オレイン酸(18:1)、EPA(20:5)、DPA(22:5)、DHA(22:6)、THA(24:6))との比較で細胞中への脂質蓄積抑制効果をOil Red O染色を用いて観察した。結果、18:1投与群と比較してPUFAの脂質蓄積抑制効果は、二重結合数が増えるほど強くなり、さらに鎖長が長くなるほど強くなった。過去において同様の研究を行った結果、24:6投与が最も脂質蓄積抑制効果を発揮するPUFAであったが、今回合成した26:7はさらに強い効果を記すことを明らかにすることができた(26:7は24:6と比較して炭素数が2つ長く、二重結合数が1つ多い)。このことより、PUFAが発揮する脂質蓄積抑制機能はPUFAが有する炭素数および二重結合数の両方に由来することを明らかにすることができた。
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