2021 Fiscal Year Research-status Report
免疫抑制補助シグナルによる新たな筋萎縮抑制機構の解明
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20K21766
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
奥津 光晴 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80409755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 全広 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (60448264)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 免疫抑制補助シグナル / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、運動による免疫抑制補助シグナルの制御を検討した。実験には野生型マウスを使用した。マウスは運動群と安静群に分け、運動群は自発走行運動を4週間実施し、安静群はその間通常飼育した。運動期間中はマウスの走行距離を測定し、自発走行運動が適切に実施されていることを確認した。運動期間終了後、マウスから走行運動の主動筋である遅筋優位なヒラメ筋と速筋優位な白色広筋を採取した。採取は、運動期間最終日の一過性の運動の影響を取り除くため運動終了24時間後に実施した。採取した各骨格筋は懸濁してRNAを抽出し、運動による免疫抑制補助シグナルの変動を解析した。その結果、運動による免疫抑制補助シグナルのmRNAの発現は、ヒラメ筋と白色広筋ともに低下する傾向を示す結果を得た。また本研究では、骨格筋における免疫抑制補助シグナルの重要性を立証するため、免疫抑制補助シグナルを筋特異的に欠損したマウスの作成を計画している。研究が計画以上に進展しているため、予定を早めてこれらのマウスの作成を初年度より着手した。作成にはcre/loxpシステムを使用し、標的とする遺伝子が筋特異的に欠損するよう作成した。作成したマウスはDNAを抽出して遺伝子型を確認した。また遺伝子の欠損が筋特異的であることを確認するため、欠損マウスと野生型マウスの骨格筋と他の臓器の免疫抑制補助シグナルのmRNAの発現を比較した。その結果、免疫抑制補助シグナルのmRNAは筋特異的に消失していた。次年度以降、作成したマウスを用いて骨格筋における免疫抑制補助シグナルの重要性の立証を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度計画した実験はほぼ全て実施できた。また本研究では、免疫抑制補助シグナルを筋特異的に欠損したマウスの作成を計画しているが、研究が計画以上に進展しているため、予定を早めてこのマウスの作成に着手し樹立に成功した。したがって当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度となるため、計画した全ての実験を実施できるよう計画的に実施する。
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Causes of Carryover |
使用する試薬の価格変動、試薬の種類の変更やマウス作成費用の変更などに差額が生じた。
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