2020 Fiscal Year Research-status Report
深層学習と仮想化技術の融合によるバンキングマルウェア対策
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20K21788
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
品川 高廣 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (40361745)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | マルウェア / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
大量に出現する新しいマルウェアの分析は、セキュリティアナリストにとって大きな負担となっている。通常、マルウェアプログラムには多くの亜種が存在するため、マルウェアの亜種を既知のファミリーに自動的に分類することは、アナリストの負担軽減に大きく貢献する。マルウェアの画像を用いて深層学習により亜種を分類することは、マルウェアの自動分類のための興味深いアプローチであるが、異なる深層学習モデルと微調整パラメータが分類精度に与える影響については十分に検討されていない。 本研究では、24種類のImageNet事前学習モデルと5種類の微調整パラメータ、合計120種類のモデルを用いて、微調整された深層学習モデルの網羅的な研究を行った。実験の結果、完全再学習したEfficientNetB4は、Malimgデータセットで98.96%という最高の分類精度を達成し、1/4再学習したEfficientNetB4モデルは、Drebinデータセットの上位20クラスで91.03%という最高の精度を達成した。また、2020年5月のデータセットで学習した上記のモデルを用いて、VirusTotal November 2020のデータセットに含まれるマルウェアの亜種の検出を試みた結果、Windows向けのマルウェアは1,490個検出され、抽出率は21.07%、汚染率は12.61%、Android向けのマルウェアは58個検出され、抽出率は100%、汚染率は57.66%となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習を用いたマルウェア検知に関して順調に研究が進んでおり、最初の論文を既に投稿済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究結果を踏まえて、評価をさらに充実させて投稿済みの論文を発展させるほか、深層学習の適用の仕方や適用先についてさらなる検討をおこなって、次の論文投稿を目指していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初は深層学習のために新しい物品購入をおこなう予定であったが、実際に発売された物品を検討したところ想定した使い方をすることは簡単ではないことが分かったため、既存の低速な物品を再利用しつつ翌年度に使用する人件費を増やして人海戦術により当初予定の実験をこなすこととしたため。
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