2021 Fiscal Year Research-status Report
Multi-Platform and Ployglot Live Programming Framework
Project/Area Number |
20K21790
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
増原 英彦 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (40280937)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | ライブプログラミング / 言語実現フレームワーク / Truffle / Graal / Kanon |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従ってライブプログラミング環境Kanonの多言語・多開発環境のための開発と、効率的な実行方式についての研究を進めた。 処理系の開発に関しては、昨年度までの研究で構築した処理系のモジュール化を進め、今後の研究に備えた。特にユーザインタフェース部分を最新のライブラリに置き換えること、配置アルゴリズムを交換可能なモジュールとすることを行い、実験用のコード例を挿入する機能などを追加した。この作業はRAとして雇用した博士課程学生が主に担当し、オープンソースソフトウェアとして公開した。 実行方式については、Kanon処理系が行っているオブジェクトグラフの収集をTruffle/Graalフレームワーク上で動作するJavaScript言語処理系を改変する方法を提案し、その基本的な実現の作成および効率的なデータ表現方法を示した。これまでの処理系ではプログラム変換による収集を行っていたのに対し今回提案した方式は(1)言語処理系内部での収集を行うため、将来様々な最適化を行うことが容易になること(2)基本ライブラリのようにソースコードが存在しないプログラムに対しても適用可能なこと(3)Truffleフレームワークで実現されているJavaScript以外の言語にも将来適用可能となることといった特徴がある。この成果は情報処理学会プログラミング研究会において発表され、同学会英文論文誌Journal of Information Processingへの掲載が決定している。 また上記の研究に並行する形で、様々なプログラミング環境の形態を検討するために (a) 問題分析段階、即ちプログラムを書くよりも前の段階のための視覚的な「プログラミング環境」Mioの作成や、(b) プログラム理解作業時のメモ作成を支援する CodeMap 環境の提案も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿った形で研究を進展させることができており、論文誌に論文が採録されるなど順調である。また、Kanonライブプログラミング環境の研究から着想を得ることにより、新たな研究テーマへと広げることもできたこともある。これらの成果を多くの開発者が利用できる形に広げてゆくことや、国際会議・論文誌によって成果発表を行うことがこれからの課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従って研究を遂行してゆく。研究成果を国際会議・論文誌論文として公表するだけでなく、デモ発表などの発表機会を多く取り、研究に対するフィードバックを数多く得ることも同時に目指してゆく。また新たに着想を得た Mio や CodeMap の研究についても進展させてゆく。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により参加を予定していた国際会議の全てがオンラインでの参加となり、また参加登録費も大幅な減額となった。これを受けて研究計画を見直し、処理系改良のための開発を当初より多くするなどしているが、一部については次年度以降に繰り越してより効果的な研究遂行に充てることとした。
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