2020 Fiscal Year Research-status Report
視聴覚情報の伝搬を制御可能な動的ワークプレイス構築基盤
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20K21799
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
高嶋 和毅 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (60533461)
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| Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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| Keywords | 空間デザイン / ロボットディスプレイ / プライバシー / 対人距離 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
近年では，開放的なオフィスが主流だが，モニタからの視覚情報や会話中の音声情報などが広範囲に伝搬しやすく情報漏洩リスクが高まっている．計算機の認証とは異なり，開放的なオフィスでは，情報のアクセス範囲（誰に見せて・聞かせてよいか）を制御する仕組みが機能していない．
本研究では，空間計測，可視化技術および自律移動什器・ディスプレイ技術を駆使し，オフィス内に物理的に伝搬する視聴覚情報を制御する新たなワークプレイスの基盤術を確立する．本年度は，個人のプライバシーと作業性を維持可能な作業空間を実現する動的変形壁面型インタフェースの開発に取り組んだ．具体的には，まず，インタフェースの開発にあたり，オフィス空間など作業環境内で注意すべき要素について最新研究から情報を大量に取集し，整理した．昨今のコロナウイルスの影響を受け，オフィス形態はさらに変化しており，働く場所の多様化，シェアオフィスやパブリックスペースにおける交流を持たない複数人による空間共有，さらには，空間内での人の過度な密集を防ぐため，ソーシャルディスタンスを確保するためのパーティションの利用が増えている．これらの変化や知見を踏まえ，作業中の個人のプライバシーと個人間のソーシャルディスタンスの確保を両立する自走式動的変形壁面型インタフェースを開発した．提案インタフェースは作業人数や内容に応じてパーティションの高さと長さが動的に変形し，かつ空間内を自由に移動することができる．プロトタイプの有用性を検討するため，複数シナリオを設計し議論した．この成果の一部はCHI2021 Late-breaking workに採択され，ポスター発表を行う予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず，文献や情報収集によりオフィスにおける課題や既存のアプローチ，およびコロナ渦における特殊な課題などを整理することができ，申請目的に沿った上で研究の方向性をさらに明確化することができた．また，設計実装したプロトタイプの剛性や性能も実験用途には十分なものであり，次年度以降に研究を加速できると見込めるため．
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| Strategy for Future Research Activity |
２年目には，自走変形型パーティションのプロトタイプを引き続き改良と開発を続け，それらを複数台を用いることでオフィス内の視覚情報の伝搬制御方法を検討する．また，それによる効果を技術と心理的な側面から検証する．３年目には，音の制御のためのプロトタイプなどを引き続き実施する．働き方やオフィスの在り方が大きく変化する今の時勢に対応すべく，今後も綿密な情報収集の上で，デバイスやインタラクションの設計を進める．
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| Causes of Carryover |
R2年度はコロナによる研究活動の制限があり，旅費の執行が進まなかったことが一つ要因として挙げられる．また，また，プロトタイピングは，幸いなことに，すでに有していたデバイスを流用することで順調に進んだだめ，予定したほど物品費を執行しなかったこともある．来年度に繰り越した財源は，可能であれば国際会議への出席と，プロトタイプを数段レベルアップするために執行する予定である．
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