2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K21802
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 淳 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30334957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺間 一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50184156)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | SLAM / 地図生成 / 自己位置推定 / 透明物体 / ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
非透明物体はどの方向から見ても同じように見えるが,透明物体は特定の方向から照射した光線のみを強く反射する.この物理的性質を考慮して,LRFを用いて透明物体を検出可能な新規なセンシング手法を構築した.更に,提案した手法により環境地図を高精度に生成し,その結果を用いてロボットの自己位置推定をロバストかつ高精度に行う新規SLAM手法を構築した.最終的に,実機ロボットを用いて提案手法の有効性を示した. ロボット分野においては,画像を取得可能なカメラや,障害物までの距離を計測可能なLRFと呼ばれるセンサを用いて,自己位置推定や地図生成を行う.これらのセンサは光を使ったセンシングを行うため,光が透過してしまう透明物体を検知することができないと一般には考えられており,透明物体存在環境におけるSLAMは未解決問題であった.その結果,透明なガラスが存在する場所を何もない場所としてロボットが認識し,ガラスにロボットが衝突することが大きな問題であった. 透明物体は特定の方向から照射した光線のみを強く反射することは,特定の方向からは透明物体を検出できる可能性があることを示唆している.しかし,反射方向が極めて限定的で狭い範囲であるため,従来研究では強い反射光をノイズや外れ値として除去していた.本研究の新規なアイデアは,ロボットが移動しながら観測した際,ある場所に注目し続けると,非透明物体からの反射光は変化しないことに対して,透明物体からの反射光は変化し,かつその変化は物理法則に基づくためモデル化できる点に注目することにある.具体的には,反射光の飛行距離・入射角度・反射強度を用いて,透明物体表面における反射の定式化を行い,定式化の結果を用いて透明物体と非透明物体の分離を行った上で環境地図生成を行った.その結果を用いて,よりロバストなロボットの自己位置推定を行う枠組みを新規に構築した.
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