2022 Fiscal Year Annual Research Report
画像フィルタを用いた気づかれない視線誘導に関する研究
Project/Area Number |
20K21807
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小池 英樹 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (70234664)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 視線誘導 / プロジェクタ・カメラ・システム / 画像フィルタ / 実世界プロジェクション |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はプロジェクトの最終年度として、これまでに開発したprocam技術を実物体プロジェクションへの応用を行なった。具体的には、カメラで撮影された実物体(例:Stanford Bunny)を認識し、プロジェクタを用いてこの実物体に正確な重畳表示を行った。その際に問題となったのが、実物体の境界部分において投影画像の輝度低下により実物体と背景との境界部分が目立ってしまうことであった。そこで、カメラが撮影する実物体と背景の境界部分を可能な限り目立たなくするような投影手法、displacement projection mappingを考案し実装した。手法の詳細としては、(1)反射輝度のばらつきを補正するため、投影輝度が均一な白色光を段階的に投影し反射輝度を測定、(2)測定して得られた各画像における投影輝度と反射輝度の関係から、実物体の反射輝度が一定となるように投影輝度を調整する陰影平滑化フィルタを作成、(3)陰影平滑化フィルタと実現した凹凸モデルの画像を組み合わせることで、最終的に投影するための画像である凹凸モデル投影画像を合成した。開発したprocamを用いた投影実験の結果、従来手法に比べて、背景とのきょかい付近における差異が減少していることが示された。また、視線誘導技術の展開の可能性を調べるために、球体型LEDディスプレイを購入し、LEDディスプレイ上での視線誘導についても検討を行った。これまで行ってきたプロジェクタ映像を用いた視線誘導は、屋外などでは使用できない。一方、LEDディスプレイは屋外でも十分な視認性を確保できるため、デジタルサイネージ等で使用されている。このLEDディスプレイ上での画像フィルタを用いた視線誘導についても基礎的な実験を行い、ある程度の効果が確認された。
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