2020 Fiscal Year Research-status Report
Research for Spiking Neural Network for Tactile Information processing
Project/Area Number |
20K21820
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野間 春生 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (00374108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 純一 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (10303265)
大井 翔 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (40824636)
松村 耕平 立命館大学, 情報理工学部, 講師 (80629600)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 触覚センサ / ニューラルネットワーク / パルス密度モジュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトを模した触覚情報処理システムの実現のため、複数の触覚センサ素子を接続可能なハードウェアによる機械学習の基礎開発を目標とする。人のような触覚を機械的に実現するには、触覚受容器器に相当するセンサ素子の密度とそれらのセンサ群からの情報処理の課題を解決せねばならない。本研究では最終的な目標を100個/cm2以上でセンサを配置し、後段の信号処理シ ステムもサンプリング定理から考えて500Hz以上を目指している。前者については、これまでの研究成果であるMEMSを応用した小形センサでの解決が図れる。課題は、それらの大量のセンサからの信号出力と高速な情報処理である。本研究ではその解決手段として、大量のセンサからの出力を従来のアナログ・デジタル変換回路と逐次処理によるソフトウェア処理に変えて、パルス密度によるセンサからの信号出力と、そのパルス密度のままにハードウェアニューラルネットワークに入力して連続処理し、次元を削減した後に通常の計算機への入力と信号処理を行う。 2020年度はそれらの基本構成の設計を行った。まず関連研究を調査結果から、近年ハードウェアニューラルネットワークの研究が再燃していることを確認し、我々の研究の位置付けを明らかにした。特に、本提案では回路の複雑化を防ぐために、学習系の仕組みをソフトウェアシミュレーションで実施することして、順方向の処理のみを実装する事とした。我々の開発した触覚センサは、センサにかかるが威力に応じて抵抗値が変化する。この抵抗値をパルス密度に変換して出力基本回路をNE555を用いて実現できることを確認し、これを実際に実装する方法の検討に繋げた。ハードウェアニューラルネットワーク回路については、基本的に非同期でパスルカウント回路を中心として、従来のソフトウェアのニューラルネットワークを模した設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクト全体の進行は順調である。 研究の位置付けと、実装の方針について確認し、基本設計を固めた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまでに進めたSNNの基本構造を実際にシステムに反映させる。 具体的にはまずソフトウェアによるシミュレーションによるSNNのニューラルネットワークの収束の確認をおこなう。ここでは従来のニューラルネットワークの構造をハードウェアの構造に変換可能なパルス密度で処理する仕組みを模擬し、単純な構造で逆伝搬して学習できる仕組みを実現する。次に、試作した触覚センサの電気抵抗変化をパルス密度変化として出力する電子回路の設計と試作を行う。特に、実際にハードウェアニューラルネットワークに信号を投入するためのダイナミックレンジについて注意して展開する。最後に、FPGAを用いたハードウェアニューラルネットワークの実装を進める。ここでは左記に述べたソフトウェアシミュレーションの結果を半自動に反映できるネットワークを想定して展開する。 課題としては、ソフトウェアとハードウェアの接点をどの時点で見いだすか、さらには、ニューラルネットワークとしてのオフライン学習がリアルシステムに展開した際に機能することの確認が課題である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス対応のために大学構内に入る事が制限された。結果として実験設備を用いたMEMS触覚センサの開発に遅れが生じた。 現在は、本研究で利用するMEMS触覚センサの設計を終えて発注を行い、21年度中に遅れを取り戻すことが可能である。
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