2021 Fiscal Year Research-status Report
Formaldehyde induces superbulky DNA interstrand crosslinks
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20K21850
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中村 純 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (90804518)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50273488)
川西 優喜 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70332963)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | アルデヒド / DNA鎖間架橋 |
Outline of Annual Research Achievements |
マロンジアルデヒドがホルムアルデヒド(FA)とリジン側鎖のアミノ基と反応し1,4-dihydropyridine型のM2FAを作る。M2FAは環状構造からなり、外環に2個のアルデヒド基を持つ。そこで、FAあるいは精製したM2FAをそれぞれ塩基と反応させ付加体が検出されるか否かをHPLC-UVを用いて検討した。FAはこれまでの報告と同様塩基との付加体を作ることが明らかになった。一方、M2FAと塩基との付加体は検出されなかった。恐らくM2FAの外環のアルデヒド基は蛋白のアミノ基とは反応するもののDNAの塩基のアミノ基とは反応し難いものと考えられる。そこで、生体内に存在する可能性があるFA以外のアルデヒドによるDNA鎖間架橋(ICL)の形成メカニズムとその生物学的重要性について実験を行った。ターゲットのアルデヒドはグリシドアルデヒド(GALD)である。グリシドールが体内の代謝を受けて2官能基を持つGALDが作られ、さらにICLを作る可能性があると仮説を立てた。 グリシドールはエポキシド構造をもつプロパノールである。ヒトは、職業暴露に加え、食用精製植物油や電子タバコのべーパーを介してグリシドールに暴露されている。グリシドールとアルコール脱水素酵素(ADH)の反応物中にアルデヒド基を持つ化合物が存在することをHPLCを用いて確認した。また、グリシドールとADHの反応によりGALDが産生されていることを質量解析にて確認した。GALDを培養細胞に曝露したところ、グリシドールと比較し細胞毒性が著しく高くなること、さらにGALDの暴露によって、野生型細胞と比べファンコニ貧血経路欠陥細胞で細胞生存率が低下したことから、GALD はDNAにICLを形成していると考えられた。また、GALDの解毒に関与する可能性のある酵素の機能不全マウスを作製することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度前半は新型コロナウィルス感染拡大防止の影響を受け、研究室における実験の規模を縮小していたため、研究はやや遅れ気味であった。その後2021年度後半から実験の規模を拡大することで飛躍的に研究実績が向上した。現在、研究分担者との共同研究も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は次のような研究を行う予定である。 (1)GALDがDNA鎖間架橋をつくることを明らかにする。 (2)GALDの解毒機構を明らかにするとともにアルデヒド解毒機能不全マウスのGALDに対する感受性を明らかにする (3)これらをまとめ国内外の学会で研究成果を発表するとともに、報告書を投稿する。
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Causes of Carryover |
2021年度前半、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、研究室における実験の規模を縮小した時期があった。そのため昨年度使用を予定していた助成金を本年度に使用することになった。2022年度は、培養細胞を用いた実験に加え、アルデヒド代謝機能不全マウスを用いた動物レベルの実験を行う。マウスを用いた実験は培養細胞を用いた実験に比べて実験費用が増加することから昨年度に使用する予定あった助成金と本年度の助成金を合わせてその費用として用いる。
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Research Products
(2 results)