2020 Fiscal Year Research-status Report
Construction of the production system of novel useful materials by thermo-adaptive evolved E. coli
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20K21868
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
岸本 利彦 東邦大学, 理学部, 教授 (90339200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大井 俊彦 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (40223713)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 有用物質生産 / 進化 / バイオプラスチック |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は下記の研究を実施した。 1) 高温での可溶性異種タンパク質発現系の構築 バイオプラスチック発現用の高温適応進化大腸菌として、ゲノム解析が完了し、ゲノム情報を利用可能なものをプラスチック生産生検証の第一候補として選定した。その中から、プラスチック生産培地での増殖性と、高温での不溶性タンパク質の減少が期待できるシャペロン変異を有することを基準として株を選定し、45℃安定増殖株、46℃安定増殖株を高温でのバイオプラスチック生産宿主候補とした。研究分担者と協議し、現在バイオプラスチック生産に成功しているpolyhydroxybutyrate (PHB)生産系のプラスミドを、導入しプラスチック生産を行った結果、46℃安定増殖株を用いて、43℃(株の至適増殖温度)でプラスチック生産を確認した。従来の報告では、30℃でのプラスチック生産が限界であったことから、大腸菌を用いた最高温度でのプラスチック生産の可能性が示唆された。興味深いことに、高温適応進化に用いた先祖株 (DH1) では、プラスチック生産が確認されず、高温適応進化により、プラスチック生産が可能となったことも示された。 2)高温適応進化大腸菌の解析 宿主候補となる大腸菌のゲノム解析を完了し、プラスチック生産に必要な異種遺伝子なども該当する変異遺伝子タンパク質の不溶化傾向を減少させるプロテオスタシス系の変異を有する大腸菌のスクリーニングを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高温適応進化大腸菌による43℃でのプラスチック生産に成功するという、大きな成果を得たが、今後の新しいプラスチック生産に向けては、検討すべき点も多くあるため、概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
1)高温適応進化大腸菌を用いたプラスチック生産効率の高い系を、プラスチック生産サイクル進化系を用いて構築することを目指す。 2)異種遺伝子によるプラスチック生産系を導入するのに必要な、高温適応進化大腸菌の形質転換効率の向上など、遺伝子操作系のブラッシュアップを進める。 3)異種遺伝子群発現系を用いて、GLポリマー合成に適したL-glycolate, xylose含有LB 培地で、ガラス転移温度以上の高温(40°C以上)での有用物質生産系の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、研究期間が実質的に短くなったため、分担研究者との打ち合わせのための出張旅費が発生せず、またRNAseq解析などの経費発生に一部遅れが出たため。 コロナウイルス感染状況が改善し、移動制限がなくなり次第、分担研究者との実質的な打ち合わせ、共同研究を開始し、出張旅費が発生する。また研究費に関しては、「今後の研究の推進方策」に則したバイプラスチック製産経の構築を行うために適切な支出をすることで、支出計画に則した費用消化を行う。
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Research Products
(6 results)