2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K21872
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 勇磨 北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (60451431)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 薬物送達システム / ミトコンドリア / 共生 / 移植 / オルガネラ製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアを疾患細胞に移植するミトコンドリア移植療法は非常に有用であるが、治療効果を得るのに最適な共生 (細胞導入・ミトコンドリアコミュニケーション)が実現できていない事に問題があった。本申請研究では、治療用ミトコンドリアとして共生能を付加した人工ミトコンドリアを創製する事を研究の目標に据える。2020年度は、「人工ミトコンドリアの製剤化および細胞内動態の最適化」について、『ミトコンドリア材料のパッケージング』および『細胞内動態観察』を中心に下記に記載した計画で研究を進めた。
1. ミトコンドリア材料のパッケージング: 単離したミトコンドリア材料を細胞導入能およびミトコンドリア移行能を有する脂質膜でパッケージングしたナノカプセルを構築する事に成功した。
2. 細胞内動態観察: 疾患細胞に、蛍光標識を施したミトコンドリア含有ナノカプセルを添加し、細胞内動態観察 (蛍光顕微鏡)を行い、疾患細胞ミトコンドリアにミトコンドリア材料が送達されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『ミトコンドリア材料のパッケージング』に成功し、『細胞内動態観察』も行った。ここまでに示した内容は2020年度に計画した全ての研究内容が網羅されており、研究の目的を達成する多くの成果を得ることができた。 以上より、現在までの達成度は『おおむね順調に進展している』と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、『ミトコンドリア病モデルを用いた治療効果の検証』に関する研究を中心に下記に記載した計画で研究を進める予定である。
1. モデル細胞を用いた検証 (in vitro): 細胞にミトコンドリア含有ナノカプセルを添加し、細胞機能、ミトコンドリア機能を評価し、最適なプロトコルを作成する。
2. モデル動物を用いた検証 (in vivo): 全身管理下で、モデルマウスの心臓にナノカプセルを移植し、心機能、細胞機能、ミトコンドリア機能を評価し、治療効果を検証する。
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