2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a simulator to evaluate the efficacy of an antibacterial agent to resident and resistant bacteria
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20K21875
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 拓司 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20313728)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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Keywords | 腸内フローラ / シミュレーション / 可視化実験 / 大腸菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の実験研究では、主な研究対象をゼブラフィッシュと線虫とし、腸内流動と腸内細菌挙動、物質吸収を可視化計測した。本年度の主な研究実績は、以下の通りである。 1.線虫の腸内流動と腸壁への物質吸収を可視化計測した。その結果、腸内流動によって腸壁への物質輸送が促進されることが明らかとなり、促進量はペクレ数の2乗に比例することが分かった。この成果は、総合誌で定評のあるScientific Reports誌に掲載された(Suzuki, et al., Sci. Rep., 2022)。 2.体の隙間のような狭い空間においては、細菌の挙動が通常と大きく異なり、隙間から逃げるような行動が観察された。この研究成果の意義を議論した論文が、生物物理学分野で定評のあるBiophysical Journal誌に掲載された(Ishikawa., Biophys. J., 2022)。 3.大腸菌などの微生物が高い数密度で凝集した際の物質輸送を数値シミュレーションによって調べた。その結果、密集することで細胞周りに強い流れが作り出され、物質輸送が促進されることが明らかとなった。この成果は、2編の国際会議論文(9thWCBとPSFVIP13)として発表された。 4.ゼブラフィッシュの腸内における蛍光大腸菌のライブイメージングに成功した。この成果は、腸内フローラの解明につながる画期的な成果であり、2編の国際会議論文(9thWCBとPSFVIP13)として発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ゼブラフィッシュと線虫の実験研究、および高密度微生物懸濁液の数値シミュレーションに成功し、研究成果が着々と出ている状況である。既に査読付き英語論文を7編発表しており、当初の計画以上に研究成果が上がっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き研究を推進し、ゼブラフィッシュと線虫を用いた実験とシミュレーションを実施する。ゼブラフィッシュ腸内の細菌挙動を高時間・空間解像度で計測したところ、腸壁の窪みに細菌が集まる様子が観察された。この現象の定量化と、メカニズムの解明を行っていく。また、研究成果を論文として公表する作業にも注力する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:b. 研究遂行に想定以上に時間を要した。 c. 研究計画の見直しが必要となった。 f. 参加を予定していた学会や研究会などの中止や延期による(社会情勢を考慮して参加を見送った場合を含む)。
今後の使用計画:研究成果がまとまってきているため、仕上げの実験及び計算にかかわる消耗品費や電気使用料、および報告書作成にかかわる消耗品費に使用する。また。研究成果を発表するための旅費や論文投稿料などの使用も想定している。
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Research Products
(7 results)