2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K21877
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西澤 松彦 東北大学, 工学研究科, 教授 (20273592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 昭太郎 中央大学, 理工学部, 助教 (20785349)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 表皮電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
テルモ無痛針を利用した「マイクロ塩橋」で皮膚下への低侵襲な電極配置を実現し,皮膚局所の表皮電位を計測可能なプローブ型デバイスの開発に成功した。さらに,光ファイバとの一体化によって,光刺激と計測が同時に行えるマルチプローブを創製して計測精度を高め,皮膚機能のイオンメカニズムの探求を進めた。電気刺激への表皮電位応答と,バリア機能の電気的制御の可能性探索も行い,電気治療につながる成果を得た。安定した電場を皮膚に印加するための機構(バイオ電池も検討)を,電位計測と切り換える様式でプローブに搭載し,アセトン脱脂によってバリア機能を破壊した皮膚の回復と印加電場強度との連関を探った。上記のプローブによる計測に加え,パッチ型デバイスの開発によって,皮膚イオニクス解明の技術メニューを拡充した。ポーラス材料による透過性マイクロニードルアレイに絶縁被覆を施し,表皮層下への高精度・低侵襲な電気接点の挿入を実現した。この薄膜タイプのマイクロ塩橋を利用するパッチ形状の表皮電位計測デバイスによって,長時間の連続測定が可能となり,サーカディアンリズムに対応した表皮電位の日内変動が検討できた。また,多点同時計測による皮膚内の情報伝搬メカニズムの探索にもチャレンジした。このマイクロニードルアレイは,表皮電位の印加にも有用であり,アセトン脱脂で破壊されたバリア機能の顕著な回復促進が認められた。この結果は,硫酸バリウムやPtコロイドなどマイナスに帯電した粒子の塗布が,皮膚機能の改善に有効だと知られている事に合致する結果であり,皮膚炎の治療法としての電場印可法の開発につながる成果である。
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Research Products
(4 results)