2021 Fiscal Year Annual Research Report
病理組織切片デジタル画像を用いた機械学習と口腔癌の浸潤能予測ツールの開発
Project/Area Number |
20K21884
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
上木 耕一郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40313663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 英俊 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50221742)
吉澤 邦夫 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60452108)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 浸潤様式 / 機械学習 / 上皮間葉移行 / 病理組織切片 / デジタル画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先行研究において製作された「機械学習による口腔癌の浸潤能予測ツール」を用いて、YK(山本・小浜分類)分類の浸潤先端部の形状特徴を変化させうる責任遺伝子情報を補足することで、予後予測の精度を上げることを目的とする。 口腔癌の浸潤能および予後を推測するために、病理組織標本の浸潤形態に着目したがん浸潤様式が国内では頻用されている。そこで、我々はこれまでに予後判定に有用とされるがん浸潤様式(YK分類)の判別方法を自動化する機械学習による口腔癌の浸潤予測ツールを開発したが、そのツールを用いて病理組織切片を浸潤様式の特徴ベクトルの低いものから高いものへ連続的に並べ、隣同士の病理切片や、2型と3型、3型と4型などの境界となる切片の変異や発現量の違いなどを調べ、YK分類と生命予後関連遺伝子群との関係性とYK分類の浸潤先端部の形状特徴を変化させる責任遺伝子情報の解析を始めた。 また、その遺伝子の機能発現を実際の臨床材料で調べるために、病理組織切片を用いて免疫組織染色法にて浸潤先端部における発現を調べており、その画像特徴もWhole Slide Imagin処理を用いて抽出した。その結果、YK分類を予測する精度は87%であり、とくに浸潤形態が明確であるYK分類1型と4D型のおける分類精度がそれぞれ93%、94%と高く、良好な分類精度を示した。また画像解析を進めていく過程で、がん細胞間にある細胞間橋の分布が生命予後と関連していることも示唆された。また、浸潤能を決定づけるドライバー遺伝子についても、これらの画像特徴と関連づけて検索している。
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