2020 Fiscal Year Research-status Report
組織工学的アプローチによる体内幹細胞イメージングシステムの挑戦的創出
Project/Area Number |
20K21889
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
城 潤一郎 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 助教 (60511243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | 体内幹細胞 / モレキュラービーコン / 3次元組織 / 細胞標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、体内幹細胞を体内で標識、イメージングする技術を開発することである。本研究では、バイオマテリアルを用いて細胞の動態をコントロールする手法(組織工学的アプローチ)を駆使して、体内幹細胞を動員し、動員した体内幹細胞を特異的に標識、可視化することで、体内幹細胞を体内で標識しイメージングするシステム(体内幹細胞イメージングシステム)を実現する。 本研究を効率よく遂行するため、①体内幹細胞動員システムの開発、②動員幹細胞可視化プローブの開発、③幹細胞の体内標識システムの開発、および①~③を有機的に統合する④体内幹細胞イメージングシステムの開発の研究項目を設定した。今年度は研究項目②および③を実施した。 研究項目②では、動員された幹細胞に特異的に発現している血小板由来成長因子受容体αのmRNAを検出できるモレキュラービーコン(MB)の設計、合成した。得られたMBの配列特異性を試験管レベルで確認した。 研究項目③では、カチオン化ゼラチンナノ粒子を介してMBを固定化した基材へ細胞を播種し、基材からの細胞MB標識を試みた。まず、ゼラチンをコーティングした2次元ガラス基材を用いて、細胞標識を試みた。固定化するMB内包カチオン化ゼラチンナノ粒子の量を増加させることで、通常法(細胞にMB内包カチオン化ゼラチンナノ粒子を添加して細胞標識する方法)と同等の細胞標識が可能となった。次に、3次元細胞培養基材であるゼラチン粒子およびゼラチン不織布についても基材からの細胞標識を試みた。その結果、3次元細胞培養基材においても細胞標識が可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、研究項目①も実施する予定であったが、実施出来ていない状況である。一方で、研究項目③は予定より進捗し、基材からの細胞標識技術を確立しつつある。したがって、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究で重要となってくるのは、研究項目①~③を以下に有機的に融合するかという点である。なるべく早い段階で融合を試み、融合の状況をいち早く把握しておくことで効率的な研究遂行が可能となるのではないかと考えている。
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