2020 Fiscal Year Research-status Report
新しい分化誘導技術「モルフォロジカルダイレクトリプログラミング」の開発
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20K21904
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森田 康之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90380534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 誠二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (60624814)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロパターニング / PDMS / 細胞接着 / 接着基板 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,本格的な実験を始める前の準備期間として,各種装置の作製,実際的な実験手法の確立に取り組んだ.具体的には,(1)PDMSの組成の決定,(2)スピンコーターの製作,(3)マイクロパターニング技術の確立,(4)パターン上での細胞培養を行った.(1)のPDMSの組成の決定では,培養基板となるPDMSとしてシリコーンゴム(KE-106,信越化学工業)を採用し,硬化剤(CAT-RG,信越化学工業)との混合比は10:1(重量比)とした.(2)のスピンコーターの製作では,回転テーブルを有するスピンコーターを電源,モーターから自作し,上記(1)のシリコーンゴムを用い,回転数と膜厚の関係式におおむね合致する薄膜を作製することに成功した.(3)のマイクロパターニング技術の確立では,直径100, 50, 20マイクロメートルの孔が規則正しく空いたステンシルマスクの作製を外注し,それをマスクとしてパターニングを行った.シリコーンゴムシート表面の親水化にはUV光を照射した.シート表面にステンシルマスクを密着させ,UV光(波長:172~254ナノメートル)を照射する.このUV照射により表面の酸素分子が分解され,活性酸素化することにより親水的な表面が得られる.(4)のパターン上での細胞培養では,(3)で作製したパターン上に細胞を播種したところ,良好な接着性を示し,その状態での培養にも成功した.そして,直径100, 50マイクロメートルのパターンでは,パターン面積に比して,接着細胞の面積が小さく,20マイクロメートルのパターンでは,パターン上にまんべんなく細胞が接着した.これは本研究の目的であるパターンで細胞形状を制御する場合においての重要な知見である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりに進展しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の実施計画にも記したとおり,分化先の細胞の培養形状を基本としたパターニング上で分化させたい別の細胞を培養し,細胞の性質・機能変化について検討する.
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Research Products
(1 results)