2021 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分化誘導技術「モルフォロジカルダイレクトリプログラミング」の開発
Project/Area Number |
20K21904
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
森田 康之 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90380534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小俣 誠二 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 助教 (60624814)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロパターニング / モルフォロジー / 線維芽細胞 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は,以下の内容で取り組んだ.(1)スタート細胞として,ヒト新生児皮膚線維芽細胞を使用した.(2)ターゲット細胞には,脳神経アストロサイトを使用した.数日間培養した後,位相差顕微鏡による形態画像を取得した.エッジ処理などの画像処理を施し,アストロサイトの形態をパターン化した.(3)フォトリソグラフィを使用し,ガラスウェハ上にターゲット細胞の形状を反転させたパターンをもつモールドを作製した.そのモールドに培養基板となるPDMSを流し込み,成形した.そして,PDMSの細胞培養基板上にターゲット細胞の形状が凸型としての作製に成功した.その後,細胞培養基板上のターゲット細胞の形状をした凸部に細胞接着分子であるフィブロネクチンをコーティングした.(4)ターゲット細胞の1つのパターン上に,1個のスタート細胞を効果的に播種する必要があるため,細胞濃度について検討した.(5)免疫蛍光蛍光染色として,細胞核を染色するDAPI,およびアストロサイトに特異的に発現するGFAP(Glial Fibrillary Acidic Protein)を使用した.そして次に示す結果を得た.(1)細胞濃度が増加するにつれて,パターン上への細胞の播種割合は増加していくが,複数個の細胞が播種される割合が大幅に増加する.本研究では,1つのパターン上に1個の細胞の播種割合が最も高かった1.0×10^5 cells/cm^2の細胞濃度を採用した.(2)細胞核とほぼ同じ位置に,アストロサイトの分化マーカーであるGFAPの発現が観察された.この結果は,スタート細胞をターゲット細胞の形状に制御することにより,スタート細胞がターゲット細胞へ分化する可能性を示唆している.
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