2020 Fiscal Year Research-status Report
機能性ブロックポリペプチドを用いた臓器被膜の再構築
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20K21907
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松原 勤 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20628698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴瀧 彩絵 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10508203)
湯浅 明子 (小島明子) 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90295709)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | 機能性ブロックポリペプチド / エラスチン / 臓器被膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で開発している機能性ポリブロックペプチド(GPG)について以下の研究を行った。 (1-1) 架橋構造が構築可能な人工エラスチン基材を開発する。 架橋構造の構築が難しいと推定されるGPG1と架橋構造が可能と考えられるGPG3を大腸菌で産生、精製し、ファイバー化した。これらのGPGを用いて実験(1-2)へ進んだ。 (1-2) 架橋型GPGを用いた細胞培養の有用性を確認する。 ラット肝星細胞ならびにラット肝細胞を単離して、(1-1)で合成したGPG1、GPG3ならびにアテロコラーゲン (一般的な培養系)をコートしたディッシュ上で培養した。ラット肝星細胞は非コート、GPG1、GPG3ならびにアテロコラーゲンコートディッシュのすべてで変わらず接着培養されたが、ラット肝細胞は、非コートおよびアテロコラーゲンディッシュ上で接着培養されたが、GPG1およびGPG3ディッシュ上では接着能が低く、スフェロイド様に培養された。スフェロイド培養の方が肝細胞の機能が維持されるという報告があるので、GPG培養の方が優れている可能性が示唆された。ラットに加えて、マウス肝星細胞ならびにマウス肝細胞についても検討した。マウス肝星細胞はラット肝星細胞と同様にすべてで変わらず接着培養された。一方、マウス肝細胞は、ラット肝細胞と違って、GPG1ディッシュ上では接着能がほとんどなく、GPG3ディッシュ上ではアテロコラーゲンディッシュ上と同様に接着培養された。以上の結果より、ラット肝細胞とマウス肝細胞では細胞外マトリックスに対する接着能に違いがあることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で物品の入手で時間を要しているが、ほぼ予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 現在GPG1ならびにGPG3は大腸菌系で合成されているが、それらの収量が非常に少ない。薄層化(膜化)に必要なGPG量を効率よく得るために、大腸菌系を改良して大量培養の手法を確立させる。 (2) GPG1ならびにGPG3の架橋構造の導入および薄層化して膜を構築し、その膜で細胞培養が可能であることを確証させる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響で必要な試薬(架橋構造の構築に必要な試薬、細胞の遺伝子発現解析に必要な試薬等)の納品が年度内に間に合わず、次年度の4月以降の納品になったため。残金は、それらの試薬の購入ならびに膜化および細胞活性の測定試薬の購入に使用する。
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