2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of artificial lymphatic tissue that enables homeostasis of microenvironment
Project/Area Number |
20K21910
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
関根 秀一 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (60541737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 順 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (50507366)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ管 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体に類似した3次元組織を構築するには、in vitroでいかに生体内に近い細胞の周辺環境をつくるかが求められる。さらには、血管吻合可能な動静脈と毛細血管網を有した構造体とする必要がある。これらの血管網無くして長期的な構造・機能維持は困難なためである。これまでに、小動物を用いた研究において生体由来の動静脈付き血管床上に血管構成細胞を含む細胞シートを段階的に積層化することにより血管網を付与した拍動心筋組織を作製する技術を開発した。毛細血管を有する生体由来の血管床に細胞シートを直接密着させることが細胞シート内での血管誘導とそれらの新生血管と血管床内血管との結合に大きく貢献している。より厚く高機能な組織を構築するためには、老廃物の除去や再生毛細血管から漏れ出た組織液を排導し代謝バランスの調整を行う毛細リンパ管の再生が必須となってくる。本研究では、血管網付与技術を基に再生組織中の微小環境の恒常性を維持可能とする3次元毛細リンパ管付き組織の構築を目指した。リンパ管内皮細胞(LEC)のネットワークを含む細胞シートが、in vivoでの移植後のリンパ管新生を促進するかどうかを評価した。温度応答性培養皿でLECと脂肪由来幹細胞(ASC)を共培養し、LECネットワークを有する細胞シートを構築した。細胞比率を3:2にすると、より多くの枝と長い枝の長さを持つLECネットワークが形成された。3層構造の細胞シートをラット皮下組織に移植し2週間後にLEC由来のリンパ管を観察した。リンパ管の数、直径、深さは、LEC/ASCシートにASCシートを2枚重ねた組織構造物で最大であった。このLEC共培養シートをラットの大腿リンパ管切除モデルに移植したところ、移植LECと宿主LECの両者を含む機能的なリンパ管が形成された。本研究をさらに発展させることで、新たなリンパ管新生促進法につながることが期待される。
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Research Products
(2 results)