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2021 Fiscal Year Annual Research Report

近世期仮名遣い研究史における『和字正濫鈔』の再定置

Research Project

Project/Area Number 20K21954
Research InstitutionHokkaido University of Education

Principal Investigator

久田 行雄  北海道教育大学, 教育学部, 講師 (60883189)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2022-03-31
Keywords仮名遣い / 契沖 / 和字正濫鈔
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、『和字正濫鈔』に記された語を整理し、それらを先行する仮名遣い書と比較することを通して、『和字正濫鈔』の成立における他の仮名遣い書からの影響を明らかにすることである。
2021年度は『和字正濫鈔』(元禄8年〈1695〉刊)と、それに先行する仮名遣い書である荒木田盛徴『類字仮名遣』(寛文6年〈1666〉刊)と『初心仮名遣』(元禄4年〈1691〉刊)をそれぞれ対照させ、『和字正濫鈔』が先行する仮名遣い書の影響をどの程度受けているのかを調査した。その結果、『和字正濫鈔』と『類字仮名遣』『初心仮名遣』との合致率はそれぞれ約45%、約17%であり、両書をあわせた合致率は約49%であることが明らかとなった。また、『和字正濫鈔』には典拠が示されていない語が837語存在しているが、これらの典拠が示されていない語に限れば『類字仮名遣』『初心仮名遣』との合致率はそれぞれ約60%、約28%であり、両書をあわせた合致率は約65%となることが明らかとなった。また、『和字正濫鈔』の語釈において「未考」と記された語や字音語においても両書と合致する語が多く見られることが明らかになった。以上のことより『和字正濫鈔』は先行する仮名遣い書を参照していた可能性が高いことを指摘した。
もっとも、この調査結果からすぐさま『和字正濫鈔』がこの両書からこれらの語を直接引用したと見なすことはできないため、他の定家仮名遣い系統の仮名遣い書との対照も行う必要がある。特に定家仮名遣いの仮名遣い書として影響力のあった『仮名文字遣』との比較を行うことが重要であることを指摘した。
これらの成果は「近世仮名遣い研究史における『和字正濫鈔』の再検討――『類字仮名遣』と『初心仮名遣』との比較から――」(『語学文学』60、2021年12月発行)として公刊した。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 近世仮名遣い研究史における『和字正濫鈔』の再検討――『類字仮名遣』と『初心仮名遣』との比較から――2021

    • Author(s)
      久田行雄
    • Journal Title

      語学文学

      Volume: 60 Pages: 46-56

    • Open Access
  • [Presentation] 『和字正濫鈔』における 先行仮名遣い書の利用について―典拠なしの語に注目して―2021

    • Author(s)
      久田行雄
    • Organizer
      令和3年度語学文学会研究発表会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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