2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K21955
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
川島 拓馬 富山大学, 学術研究部人文科学系, 講師 (50879666)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 日本語史 / 文法史 / 名詞 / 仮定条件 / 文法化 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行った、現代語における「限り」の用法に関する研究を受け、「限り」の歴史的変遷について考察を進めた。おおよその用例収集を行い、用法の区分を行った。考察の結果、非常に複雑な様相を呈していることが分かり、様々な分析の観点を試すことが必要であるため、具体的な成果の公表には至っていない。 また、種々の資料から用例を収集する際、どのようなジャンルの文章を対象とするかという点が大きな問題となった。これを受け、「ジャンル文法」に関する研究を参考にし、検討を行った。文体研究との接点を探る上で非常に重要な問題意識であると言えるが、未開拓な部分も多く、今後も考察を続けていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度途中に研究代表者が所属機関を移ったため、研究遂行に十分な時間をかけられない時期があった。また「限り」の分析に際しても分析の観点を何度か再検討したこともあり、具体的な成果の公表に遅れを来している。
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Strategy for Future Research Activity |
既に述べているように、「限り」の歴史的変遷に関する研究成果の公表を行う。既に着手している部分も大きいので、極力遅滞なく進めていきたいと考えている。 また当初の計画にあるように、接続形式「場合」の研究にも取り掛かる予定であり、まずは現代語における位置づけについて考察を行っていく。
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Causes of Carryover |
2021年度も引き続き、新型コロナウイルス感染症の流行により各種学会・研究会がオンラインでの開催となった。そのため交通費や宿泊費を使用する必要がなくなり、当初旅費として計上していた分の支出がなくなり、結果的に次年度への繰り越しが生じた。2022年度も引き続き学会はオンラインで開催される見込みであり、旅費の支出は困難と予想されるため、繰り越し分は研究資料の購入に充てる予定である。
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