2022 Fiscal Year Annual Research Report
敬語表現の選択:コーパスを用いた一般化階層ベイズモデリングの理論言語学への統合
Project/Area Number |
20K21957
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 彬尭 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (70879965)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 定量的言語研究 / 敬語 / コーパス言語学 / 言語統計学 / 発話行為 / ベイズ統計学 / 混合効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、第一に、一般化階層ベイズと呼ばれる統計手法を用いてコーパスデータを分析し、尊敬語構文の使い分けを客観的に探索・記述すること、そして、第二に、この結果に基づき「尊敬語表現が競合するのはなぜか」についての理論化を、分散形態論の枠組みで行うことの二つを柱としてプロジェクトを開始した。この研究目的は、どちらも予定通り達成された。とりわけ、実施年度の最後に国際論文として発表された下記の論文は、上記に振れた一般化階層ベイズをさらに発展させ、さらに状態空間モデルをも取り込んだ現在の言語学の先行研究では誰も使用したことのない最先端の高度な統計手法を、敬語における歴史変化という課題に接続させ、それを分散形態論の枠組みで論じた本プロジェクトの象徴的な論文となった。
Yamada, A. (2023) Looking for default vocabulary insertion rules: Diachronic morphosyntax of the Japanese addressee-honorification system. Glossa a journal of general linguistics 8(1) 1-47.
他にも、数々の国内、国際学会において、時に国内外の共同研究者と共に学会発表を積み重ねてきた他、様々なワークショップでの招待講演や権威のある国際的な言語学のハンドブックへ寄稿を依頼されるなど、その研究成果は着実に多くの研究者の目に触れ、引用されるようになっている。
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