2021 Fiscal Year Research-status Report
トニ・モリスンの9/11以降の運動と対テロ戦争下のフェミニズム
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20K21962
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
五十嵐 舞 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (70881978)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | Toni Morrison / フェミニズム / クィア / Judith Butler / アフリカ系アメリカ文学 / 対テロ戦争 / ジェンダー / セクシュアリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、主に資料の収集整理と書籍の分担執筆と学会報告を行った。 資料の収集と整理については、前年度から進めていたアメリカ同時多発テロ事件(9/11)後の米国の中東侵攻に賛同した一部の欧米のフェミニストに対する批判に関する文献に加えて、従来9/11と接続して分析されてきた文学作品の読解を進めた。また、令和3年度も新型コロナウイルスの関係でアメリカでの調査が行えなかったため、モリスンについても書籍やオンライン上でアクセス可能な資料の読解を進めた。 書籍の執筆は、ジュディス・バトラーの9/11後のフェミニズムやセクシュアル・マイノリティの運動についての議論とジェンダーのパフォーマティヴィティに関する理論との関係性について論じた「ままならない身体、ままならない情動――ジュディス・バトラーの「パフォーマティヴィティ」と「プレカリティ」」を執筆した。荒木和華子・福本圭介編『帝国のヴェール――人種・ジェンダー・ポストコロニアリズムから解く世界』(明石書店)に掲載され、2021年11月に刊行された。 学会報告は、国際ジェンダー学会の大会で、ラウンドテーブル「クィア理論と地域研究の融合と相克――「非欧米」地域からクィア理論への応答」に参加し報告した。わたしは、バトラーを中心に、9/11後のアメリカにおけるフェミニズムやクィアの運動に関する議論を整理し報告した。ラウンドテーブルに至るまでの他の報告者との打ち合わせ及び当日のディスカッションを通じて、今日のジェンダーやセクシュアリティに関する運動と地域性に関する知見を深めることができたため、今後の作品分析にいかしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度も新型コロナウイルスの影響で計画していたアメリカでの調査が行えず、書籍やオンライン上で入手可能な資料を用いて研究を進めているが、必要としていた資料の一部が入手できていないことにより作品分析が一部遅れているため、当初予定していたよりもやや遅れていると自己評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの資料整理の過程で再確認した9/11後の人種とジェンダーやセクシュアリティに関する問題系を明らかにしながら作品分析を行う。新型コロナウイルスの影響で令和2年度と3年度に実施できなかったアメリカでの調査を行いたいと考えているが、引き続き難しい場合は、オンライン上でアクセス可能なものや書籍を用いて研究を進める。令和4年度中に本研究の成果を論文にまとめ投稿したい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で予定していたアメリカでの調査が行えなかったため次年度使用額が生じた。今後の使用計画としては、新型コロナウイルス等の状況を踏まえながら、アメリカで調査を実施する際の渡航費としたい。
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Research Products
(3 results)