2020 Fiscal Year Research-status Report
母語話者とのビデオレターによるスピーキング能力向上特性の解明
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20K21969
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
高瀬 奈美 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (20705199)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 英語教育 / スピーキング / CALL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、英語母語話者とのビデオレター(VL)を利用した非同時情報交換型の言語活動を通した、言語能力(特にスピーキング能力)向上特性を明らかにすることである。具体的には、1)英語母語話者とのビデオレター(VL)を利用した学習者グループ、およびVLを利用しない非VL学習者グループのスピーキングデータを収集すること、2)事前事後のスピーキングテストの変化を複雑性、正確性、流暢性などの観点から分析すること、3)本研究成果を口頭発表や論文等で広く公表することである。 研究により、客観的な評価観点を利用することで、VLの利用とスピーキング能力を構成する特定の要因への影響を明らかにすることができる。教育時間数が限られた中で、外国語のスピーキング力を向上させるのは、語彙や文法だけでなく、音声など必要な知識が多岐にわかり、特に英語が身近にない環境では難しいとされている(千菊, 2108)。VLに関する本研究の知見は、直接コミュニケーションが苦手な学習者や、様々な言語習熟度の対象においても生かせるという点で、英語教育への汎用性は高く、スマートフォンを用いて手軽に撮影できる簡易さから、将来的に広く発展し、スピーキング力を向上させる効果的な手段となる可能性を秘めており、将来的に、初級学習者の効果的スピーキング教育方法開発への展開が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の初年度では、まず予備調査として試験的に学習者がVLを作成した。また、非VLグループには、ZOOMによるスピーキング活動を実施した。技術的、また内容的な実施上の問題点等を解消しながら、秋以降はVLグループ(実験群)、非VLグループ(統制群)ZOOMによる実験を行い、事前事後にスピーキングテストを実施し、データを回収した。
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Strategy for Future Research Activity |
スケジュールの都合から、非VLグループ(統制群)のデータがすべて得られていないことから本年度は、すべてのデータ収集を完了することを早急に行う。また、得られたデータは事前事後のスピーキングテストにおける言語的特徴(正確性、複雑性、流暢性、使用語彙)と母語話者による影響を各グループごとに量的に分析する。評価の一貫性を保つため、研究代表者とネイティブスピーカー1名による2人での評定の平均を利用する。実験の結果は、学会発表や論文を通して、広く公表していく予定である。
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Causes of Carryover |
国内外の市場の情勢により、購入予定をしていたPCが入手できなかったことによって、次年度使用額が発生した。次年度は、PCの購入、未処理のデータ書き起こし費用、および学会参加が可能であれば、その費用として使用したい。
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